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異例の「出向人生」を送ってきた男が追いかけつづけた、PRの本質

KAZUYA TANIZAWA

谷澤 和哉

グローバル開発部 部長

地域ブランディング、観光・ツーリズム、商業施設、インバウンド

2006年オズマピーアール入社。戦略PR・マーケティングブティック会社への提携出向を経て、2012年より博報堂PR戦略局に出向。カメラやハウスウェアはじめ様々な統合コミュニケーション業務に従事した後、2014年から2年間中国・北京に駐在。2016年に帰国したのち、「日本の地方を、世界の旅行地に」をミッションとした旅行・インバウンド専門会社「wondertrunk&co.」の立ち上げに参画。JNTO、環境省、地方自治体、エアライン、鉄道会社等、多数のインバウンド業務のプロデューサーを務める。2018年4月より、ビジネス開発局グローバル開発部にて引き続きグローバル業務に従事。

谷澤和哉は、株式会社オズマピーアールに入社して12年が経ちますが(2018年現在)、そのうちオズマに席があったのは4年ほど。8年以上の期間を通算4社への出向で過ごしてきました。異色のキャリアの持ち主である谷澤が、出向によって得た様々な“外の目線”によって、PRの本質をどのように見据えてきたかをご紹介します。

生活者の心を動かすPRには「ストーリー」がある

 

▲異例の「出向人生」を送ってきた谷澤和哉

 

谷澤が「本当に求められるPRってなんだろう」と考えるようになったのは、オズマピーアールに入社して2年ほど経った頃のことです。2006年に新卒でオズマピーアールに入社した谷澤は、1年半ほどで、当時業務提携していたPR会社に出向していました。

 

新人の頃は、企業とメディアを結んで情報を出していくことに楽しさを感じていた谷澤でしたが、徐々に疑問が胸のうちに膨らんでいきます。それは、「メディアに情報を出したい」という思いばかりが前に出て、単に受けのいいネタに終始していないか?生活者不在に陥っていないか?ということ。

 

その案件は、犬種別に必要な成分が配合されたプレミアムドッグフードのPRでした。すでに露出目標を達成していたにもかかわらず、それが愛犬家の心を動かすに至ったのか疑問を感じた谷澤は、さらに深掘りしたいと、ひとりでペットを取り巻く状況をリサーチしはじめました。管轄省庁や地域の動物愛護センターにいたるまで記者さながら愛犬家にささるストーリーやファクト探しの“取材”を行ないました。

 

谷澤 「自分でも狂気じみた熱意だったなと思うんですが、そこまでやったことで初めて、犬を飼っている人、これから犬を飼う人の役に立つ情報にできたなと実感できたんです。それまでずっと持っていた『生活者不在』という違和感に対するブレイクスルーだったと思います」

 

2年間の出向を終えて2009年、谷澤はオズマピーアールに戻ってきました。多様な案件に取り組む中、「ひとの心を動かすPRとは何か」という課題について、またひとつ、答えを深めていくきっかけになったのは、2011年の東日本震災でした。

 

ある生活用品メーカーが実施した「お洗濯支援」。被災地の避難所を回って衣類を回収し、コインランドリーで洗濯してお返しするという活動でした。洗濯の済んだ衣類を手に取った方々は涙を流したといいます。それは、清潔な衣類が嬉しいという気持ちではなく、洗濯したての衣類の香りに、失われた日常を思い出したからでした。

 

その光景を目の当たりにして谷澤が痛烈に感じたのは、ひとの心を動かすには「ストーリー」が必要だということ。

 

企業は自分たちの理念と企業活動に基づいたストーリーに沿って情報を出していく。そしてそれが、生活者がもっているストーリー、つまり思いや価値観に寄り添うことができた時、初めてひとは動かされるのだと感じたのです。

 

谷澤 「僕はこの頃から、“情報の不法投棄問題 ”を提唱するようになりました。企業の言いたい言葉がメディアに載ればそれでいい、メディア露出の報告書の厚みが増せばそれでいいという考えはもうやめませんかと。

 

たとえば子育て中のお母さんだったら、このミルクや食材がいいとか悪いとか、科学的には悪いと言われてないのに、世のお母さんたちは避けてますよとか。生活者が情報を受け取ってそれに基づいて行動することを考える時、発信する側が無秩序に情報を氾濫させてしまうと、ひとを迷わせ、不安をあおるだけのものにもなりかねないんです。

 

そうではなくて、僕は “情報 ”を本当に必要としているひとに届けたい。そのひとが持っているバックグラウンドや価値観にぴったり沿うものでなければ、心を震えさせることはできないんです。

 

それがそのひとの生活の役に立ったり、安心をもたらしたりできる。PRの可能性ってそういうところにあるんじゃないかなと、一歩考えを進めることができました」

 

業務の領域を乗り越えて仕事をする意味、そこにPR本来の価値はあるのか?

 

▲北京博報堂への出向直前の壮行会の様子

 

PRの価値を自分なりに見直すことになった経験を経て、再び谷澤に出向の機会が訪れます。2011年暮れにオズマピーアールは博報堂の子会社に。谷澤は2012年から、同社のPR戦略局に出向することになりました。

 

谷澤 「ひとつのコアアイデアをもとに、様々な施策アプローチを展開することで、これまでにない多様なコミュニケーションを実践することができました。一方、そこには罠も潜んでいて、本当の意味で統合的に考えられているのかという問いが浮かんできます。誤った万能感だけで突き進んでしまうと、実際には広告、PR、SPなど各施策をパラレルで回しているだけという状態に陥りがちなんです。

 

本当の意味で統合コミュニケーションの時代になったからこそ、自分のバックグラウンドであるPRの軸をしっかり立てて、そこで勝負していかないといけないなと思いました。なぜデジタルのこと、イベントのことなのにPRのプロに頼むのか?その理由をしっかりつくっていこうと」

 

PRで培ってきた「ストーリーを見つけて、生活者に寄り添う情報発信をしていく」手法は、PR領域以外で応用するのは簡単ではありません。しかしPRを軸と定めた谷澤は、統合コミュニケーションの現場でも、常にPR発想を取り入れたプランニングを意識していきました。

 

そして統合コミュニケーションに携わって2年、谷澤に次の出向先が告げられることとなります。博報堂の中国の支社、北京博報堂(上海博報堂北京分公司)に、統合戦略部ディレクターとして赴任。それこそ業務の垣根などがなくなり、PRからWEB制作、動画制作と、広告のクリエイティブ以外はなんでも谷澤が手がけました。

 

2014年から2016年、北京で働いた2年間は、業務の領域を越えていくと同時に、「国」という垣根を越えていく体験でもありました。スタッフの仕事への取り組み方も異なれば、メディアが興味をもつポイントも異なる中、価値観をゆさぶられる体験は苦労も大きい半面、日本にいては得られない貴重なものだったと谷澤は感じています。

 

谷澤 「海外に出てみて感じたのは、日本のコミュニケーションはディテールに価値が宿る傾向があるということ。『このひとは代々、木こりの家系で、何世代か前にどこそこに移り住んで、今は教師の見習いをやっています』みたいに条件をそろえていって、その人唯一のアイデンティティを特定していくイメージ。

 

そこが海外では『僕はトムだよ!』で終わり。トムっていうありふれた名前でも、そこに解説はいちいちつかなくて『僕はトム、世界でいちばんのトムだよ』で終わりで、あとはそれをどれだけユニークに大声で、それでいて誰よりも早く言えるかどうか、なんです。

 

こんな調子なので、谷澤さんは何をそこまでこだわってるの?と現地スタッフに不思議がられることもしばしばでした。今ではアジアやヨーロッパのメディア担当者と話す機会も増えましたが、日本のジャーナリズムとはまったく違います。またそれが世界でPRをしていく時に乗り越えるべき壁でもあり、そのままやりがいにも繋がっています」

 

谷澤は2年間の北京勤務が終わると、今度は日本から世界と繋がるインバウンド専門のベンチャー会社に出向することに。北京で国を越えたコミュニケーションに携わり、その違いを体感したことは、日本に戻ってきてからも活かされています。

 

よりシンプルに、狙い澄ましたコミュニケーションがこれからの時代には必要

 

▲谷澤がPRを手がけた「Nature Tokyo Experience」引用元:http://www.naturetokyoexperience.com/en/

 

北京から戻った谷澤は2016年、博報堂DYホールディングスが設立した「ワンダートランク アンド カンパニー」に出向しました。「ディスティネーション・プロデュース」、つまり訪日外国人にとっての旅先、とくに地方のインバウンドを手がけるPR会社です。

 

ここで谷澤が、これまで以上に意識して取り組むことになったのは、「絞り込むコミュニケーション」。

 

山梨ならワイン、北海道のニセコならスノーアクティビティというように、ひとつだけ、差別化できるものを絞り込むのです。ライバルは国内の他県ではありません。ワインならブルゴーニュやナパ、雪ならカナダのウィスラーと、世界の同じテーマのデスティネーションがライバルになります。

 

これだけ情報が氾濫している現代で、外国人に旅行先として選んでもらうためには、単に広い情報発信をしていても届くことは叶いません。パイが小さくても確実に興味を持っている層にアプローチして、行動を促すコミュニケーションが重要になるのです。

 

谷澤がPRのプロデュースを手がけた「Nature Tokyo Experience」プロジェクトは、東京の自然エリアでの事業創造とその広報がミッションでした。大都会である東京とネイチャーをかけたコンセプトは面白いけれど、PRで大切なのはその先にあるインサイトです。

 

谷澤は、東京にほど近い自然、という要件の中に、「都市で仕事や暮らしは営み、週末ごとに自然の中に身を投じることで、リラックス、感性、インスピレーションなどを得てまた都市に帰って行くひと」というターゲット像を見出します。

 

カルチャーサイト「CINRA.NET」とともに企画を進行し、そのターゲットの象徴的な存在として、TOKIOの面々を想定。彼らがDASH村での体験と普段の都心での芸能活動を往復してきたことで、どう成長したのか、『ザ!鉄腕!DASH!!(日本テレビ)』のプロデューサーのインタビューを実施し、多くの反響を得ました。

 

谷澤 「情報が多すぎてわけのわからないこの時代、シンプルに『これが好き』が原動力になっているコミュニティをきちんと発見してコミュニケーションしていかないと、日本でも海外でも通用しなくなっています。

 

そこに、僕たちが培ってきた PRの目線で、しっくり合うストーリーを見つけ出して、コンテンツつまり一つひとつの施策を打っていく。これはインバウンドだけじゃなくて、すべての PRに当てはまる方程式だと思っています。

 

クライアントから受注するたびにストーリーを考える時代でもなくなるのかもしれませんね。ふだんからアンテナを張って、コミュニティやストーリーを自分の中に持っておき、ぴったりフィットするクライアントに提案するというのが理想になってきます」

 

上杉謙信に「塩を送りません?」と提案したPRパーソンがいたはずなんです

 

▲打ち合わせの様子。2018年現在はグローバル開発部の部長としてグローバル規模でPRの本質を追求している

 

PRの理想を考える時、いつも谷澤が思い浮かべるのは、上杉謙信の「敵に塩を送る」という逸話です。

 

敵対していた武田信玄の領民が塩を止められ苦しんでいたところに、上杉謙信が塩を送ることを指示したというエピソード。谷澤は、塩を送ることを思いついたのは上杉謙信ではなく、誰か上杉に自主プレゼンした従者がいたはずだと想像しています。

 

谷澤 「時は戦国時代、武将たちが熾烈な争いを繰り広げていたという社会背景。それをくつがえしてあえて塩を送るという意外性。しかも『敵に塩を送る』という、何百年も受け継がれる、ものすごく短くて端的なエピソード。上杉が戦いに勝ったかどうかではなく、戦乱の世にあっての上杉家の武士魂というブランドイメージは著しく向上した。これって最強のPRじゃないですか。

 

あくまで想像上の遊びでもあるんですけど、そういった時代だから、そもそも戦国大名は、短期的には敵を軍門に下すこと、長期的には天下統一をゴール目標に設定していたはずで、自分のブランド向上それ自体を目的にはしていなかったと思うんです。そこをあえて『上杉家の名前を未来に語り継ぐ施策』を自主的に提案していくのが、これからのPRパーソンに求められてくる姿だと思うんですよね」

 

「もはや、十把ひとからげに情報を出しさえすれば良い時代は終わる」という谷澤。それぞれ異なる属性をもつ多様なコミュニティが、どんなストーリーを持っているのか、その文脈を丁寧に読み解ける能力が、PRパーソンには必要だと考えています。

 

自分自身で世の中の流れをつかんでおかなければ、単にクライアントの要求に応える以上の提案をし、成果を上げることはできないでしょう。

 

社内では異例の「出向人生」を送ってきた谷澤ですが、持ち前の人なつこさで新天地にもすぐになじみ、それぞれの出向先で新しい視座を素直に受け入れてきました。それは確実に、谷澤を成長させ、PRの可能性をより広げて考えるための糧となっています。

 

谷澤 「僕は昔ものすごく残業してまして。仕事すればするほどスキルは上がっていきました。でもある時から、やってもやっても仕事が良くならなくなったんです。企画書は多少きれいにつくれるようになったとしても、それだけでは本当の意味での成長はしなくなった。

 

PRパーソンはやっぱり、外に出ること。自分の感覚と外の感覚を常に比べておくことが大切だなと感じます。新しいものに触れ、異なる視点をインプットしていかないと成長できないと思うんです。

 

僕は 1年半~2年ごとに部署や出向先を異動して新天地に行かせてもらってラッキーでした。もちろん必ずしも出向や転職の必要はないんですが、どこにいても、そういう異なる視座でのインプットを貪欲に求めていくことが大切だと思います」

 

企業と生活者、そして社会の真ん中に立って、社会の要請に対して企業や商品がもつ価値をマッチさせていく――そんな役割をPRパーソンが担う未来をめざして、谷澤はこれからもPRという武器を研ぎ澄ましていきます。

 

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