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【開催レポート】「SDGsコミュニケーションサロン」設立記念ウェビナー ~サステナブル・ビジネス・マガジン『オルタナ』の森編集長をお招きして
【開催レポート】「SDGsコミュニケーションサロン」設立記念ウェビナー
~サステナブル・ビジネス・マガジン『オルタナ』の森編集長をお招きして~
2020年11月19日、すでにお知らせしておりました通り、「SDGsコミュニケーションサロン」設立を記念したウェビナーをサステナブル・ビジネス・マガジン『オルタナ』の森摂編集長をお招きして開催しました。当日は、企業でSDGsを担当されている方や、マーケティング/コミュニケーション領域の方を中心に、多数のご参加をいただきました。
【PROFILE】
森 摂(もり・せつ)氏
株式会社オルタナ 代表取締役社長 兼 オルタナ編集長
武蔵野大学大学院・環境研究科客員教授
2007年3月、環境とCSRと「志」のビジネス情報誌『オルタナ』創刊。
三樹 祐司(みつぎ・ゆうじ)
ピーアールコンビナート株式会社 執行役員
社会潮流研究所 SDGsコミュニケーション研究員。
コーディネーター/モデレーター
加藤 雄一(かとう・ゆういち)
株式会社オズマピーアール ビジネス開発本部 ソーシャル・ファシリテーター
社会潮流研究所 SDGsコミュニケーション研究員。
「SDGsコミュニケーションサロン」は、企業の“SDGsコミュニケーション”の在り方を共に考え、刺激しあい、発展しあう、様々な人・情報が交流するコミュニティを目指すものです。
今回のセミナーでは、森編集長よりグローバルの潮流を踏まえ、いま企業に必要なSDGsコミュニケーションのポイント6点について解説をいただきました。
①「SDGsウォッシュ」を過度に恐れるな
②「陰徳」は上場企業では通用しない
③「サスレポ」を作っているだけで良いのか
大企業でもサステナビリティのページのPVは意外に少ない
④企業コミュニケーション≒ PR(日本語)
⑤誰に何を伝えるか
⑥SDGsランキングをどう捉えるか
続いてオズマグループでSDGsのコミュニケーションを研究している三樹より、企業のSDGs/社会の評判獲得に向けた取り組みについてPR視点からお話いたしました。
その中で特に意識して持つべきなのは「アウトサイドイン」という考え方。これは『SDG Compass:SDGsの企業行動指針 – SDGsを企業はどう活用するか?』の中で提唱された概念であり、従来の「商品」起点の発想(プロダクトアウト)や「市場のニーズ」起点の発想(マーケットイン)を越えて、社会課題起点で、未来の顧客に対して新しい商品やサービスを生むアプローチのことです。
印象的だったのが、「アウトサイドインは数値目標の設定/定量的な指標を置いたうえで行うべき」という異口同音の指摘。明確に掲げたうえでSDGsコミュニケーションに取り組んでいる企業はまだ少ないので、取り組むならまさに「今」であると同時に、数字で表すことはファクトの積み上げとそれに基づくストーリー構築のうえで絶対に欠かせないポイントとなるからです。
同じ論点を少しずらすと、活動成果の誇張など、実態に伴わない情報発信を行うと「SDGsウォッシュ」にも繋がりかねず、安易に「SDGsに取り組んでいます」と発信することが、企業のレピュテーションを毀損する可能性もあります。
森編集長からは、普段から社会やステークホルダーとの真摯な対話を心がけ、目標数値など客観的な指標を掲げているならば過度に恐れる必要はない。それよりも、積極的、高頻度なメディアアプローチが重要かつ効果的・・と、コミュニケーションの重要性が語られました。
三樹からは、500社以上の統合報告書をリサーチした経験から、数値目標を掲げた活動を報告している企業は非常に少なく、また様々な活動を網羅的に掲載するだけでなく、自社のコアビジネスで社会課題にどう貢献して行くのかを社会に示すことが重要とコメントがありました。
合わせて自身の研究から生まれた新サービスである、企業が社会へ適切なコミュニケーション施策が図れているか診断・コンサルティングする「SDGs Social Issue Finder」を披露しました。
質疑応答では、どのようなスタンスが自社にとって効果的なのか。無理のない数値目標をどのように設定すればいいのか。メディアへの効果的な情報発信の手法とは。社内でSDGsを「自分ごと」とするためには。などのご質問を多数いただき、開催時間を延長しての活況となりました。
今後、「SDGsコミュニケーションサロン」は、企業が抱えるさまざまなコミュニケーション課題の解決を図るため、専門家によるセミナーなどの勉強会や外部ブレーン、会員同士の交流会、SDGsコミュニケーションに関する調査・情報発信などを企画してまいります。広聴機能や発信力の強化、また外部との共創をお考えの際には次回ぜひご参加をいただければと思います。
関連リンク
ピーアールコンビナートのサービス:SDGs Social Issue Finder
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