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セミナーレポート ~ソーシャル時代のブランドストーリー戦略を考える~

2016.08.24広報担当

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ソーシャルメディアの普及は、生活者に大きな変化をもたらし、今、コミュニケーション戦略に変革が求められています。従来手法だけで目的を達成することは難しく、SNS活用が成功の鍵を握っています。このような背景を受け、オズマピーアールは、デジタルエージェンシーのスパイスボックスと「ソーシャル時代のブランドストーリー戦略」と題したセミナーを共催しました。

PRが本来の役割である“広義のPublic Relations”を果たす時代に突入

seminar_iwatareまず一部では、オズマピーアール シニアディレクター 岩垂晋が登壇、『デジタル時代におけるPR』について話しました。「PRはメディアを通じて情報を発信する“広報”の時代から、パブリックとエンゲージメントを構築する“広義のPublic Relations”が求められる時代になった」と岩垂は言います。

SNSの普及により、生活者が情報を主体的に発信し、双方向でやり取りする存在に変わったからです。ただし、「マスメディアの重要性は変わらないし、マスメディアを通じた情報発信は、今後も効果を発揮していく」と岩垂は指摘します。これまでと違うのは、マスメディアとソーシャルメディアが共存していることです。

「今、テレビ番組の制作者はブログやまとめサイト、キュレーションメディアから世の中の関心事を把握して、SNSでの番組に対する論評を企画作りに活かすこともあると聞きます。更に番組や記事がSNSで話題になることで、視聴者・読者の獲得に繋がると考える作り手も増えてきました。PRを仕掛ける側も、相互に及ぼす作用を計算して情報発信していくことが必要です」と岩垂は訴えます。

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ソーシャルメディアとマスメディアの相互作用を見据えたPR施策

続いて二つの事例を紹介。はじめに紹介されたのは、岐阜県関市のPR活動について。「関市は『日本一の刃物のまち』ところが、市を支える刃物産業が衰退しつつあるという課題を抱えていた」と言います。そこで、「もしも刃物がなかったら日常生活はどうなるのかを描いた「もしものハナシ」というWEBムービー制作した」と背景を紹介します。

このPRは結果として、「手刀で大根を切ろうとする主婦や、歯で髪を噛み切る美容師など、映像で展開される異様な世界の面白さに加え、謎解き要素やダジャレというWEB文脈で好まれる要素をとり入れたニュースリリースがメディアの注目を集め、瞬く間に200件以上のWEBニュースが報道、SNSにも拡散、その話題に目を付けたテレビの露出も30件を超えました」と成果を説明。
効果は上々で、「認知度は首都圏の20~30代で28%から51%と活動前から23%もアップ。地元の刃物祭りでの1店舗当たりの売上は約20%増、2015年10月のふるさと納税申込額も前年同月比で約18倍に増えました」と言います。

もう一つ紹介したのは、シュークリーム専門店開業のPR。「この活動はオープンまで3週間と、メディアアプローチの機会が限られる中、数多のグルメ情報に埋もれることなく生活者に情報を届け、お店まで足を運んでいただくことが求められました。そこで担当チームが着目したのは情報流通経路でした。ファッション系メディアから拡散するツイートで話題化させること」だったと活動の背景を紹介。
「ファッション系メディアならグルメ情報に埋もれません。それでいて、そこから派生するツイートでは、グルメ情報が好まれる傾向にあったためです。情報発信では、キーワードにこだわり、商品名の「ザクザク」に統一。こういったオノマトペは、SNSと相性が非常に良いのです。結果、テレビまで情報が拡散し、見事長い行列を作ることに成功しました。」

この二つの事例から、「デジタル時代となった現在のPRでは、拡がりを見据えた情報発信が欠かせません。その際、ソーシャルの声に耳を傾け、そこで好まれる文脈を見つけることが大切です。その上で、情報の流れを分析し、最適な情報流通経路を選択することが大切になってきます。」と締めくくりました。

3つの視点でコンテンツを企画するアプローチ

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次にオズマピーアール PRソリューション開発部 シニアディレクターの一ノ瀬寿人が登壇。責任者として自ら開発に携わってきたオズマピーアールのデジタルアプローチについて、「ソーシャルデータ、検索データ、その他データの3つの視点でコンテンツを企画し、情報の流れを作って行く。膨大なデータはPR視点で活用してこそ価値を持つ。」と語り、この3つの視点について解説しました。

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【1】ソーシャルリスニングで⽣活者の本⾳・実態を把握

一つ目はソーシャルデータについて、そもそもなぜソーシャルデータを使うのか?これについて一ノ瀬は、「ソーシャルリスニングは、生活者の本音や実態を把握できるデータである」と説明しました。従来のネットアンケート調査では、設問設計者の意図に沿った回答になりがちです。また、グループインタビューも、アンケート調査と同様に参加への何かしらの対価があることが前提となっています。しかし、ソーシャルメディア上の散らばる投稿を収集・分析することで、生活者の本音を収集することが可能になります。例えば、「嬉しい時や悲しい時にどんな記号を使いますか?」という問いは、アンケート調査では当事者が平常心で回答しますが、ソーシャルメディア上では、今、その瞬間の感情を「♪」や「☆」、「(T_T)」といった絵文字が含まれ投稿で表現します。これはある種建前的なアンケート調査では意図的に聞かなければ得られない情報です。

更に「メディアへの情報提供でもソーシャルデータは有効です。SNSで話題になったワードを抽出して視聴者の好みをニュースの作りて側に提供することで、企業の独りよがりの情報ではないことの一つの証明にもなります。」と日常的なメディアとのやり取りで広報担当者が活用可能な事例も紹介しました。

【2】広報のデジタル化は、最強メディアgoogleを知ることから始まる

二番目は検索データについて、「WebマーケティングやSEO専門家だけでなく、広報でもgoogleのアルゴリズムをしっかり把握する必要がある」と話した上で、「googleは『いつ・どこで・だれが・なにを・どうやって』という視点で検索結果を決めている、これは即ちPR視点。検索データを分析すれば、メディアの好むワードも発見できる。検索数の多いワードを掛け合わせ、SEO、メディアアプローチの両面で最適なプレスリリースやPRコンテンツを作り出すことも可能」と続けました。

【3】シェア数やエンゲージメント数がメディア選定の重要な基準になる

このソーシャルデータと検索データの活用を発展させ、メディアプランニングに活用する方法も応用編として紹介。一ノ瀬によると、「最近、SmartNewsをはじめとするキュレーションメディアで自社の話題を取り上げて欲しいという要望がありますが、ツイッターの検索データから本当に強い1次メディアを特定し、そのメディアで露出すれば、キュレーションメディアで取り上げられる可能性は高められる」と言います。ターゲットメディア選定についても、「視聴率や読者数、PVといった従来指標だけでなく、シェア数やエンゲージメント数が重要な指標」になってくると指摘しました。

3つのデータ分析を掛け合わせ、そこにPR視点を入れて企画する

三番目のその他データとして、「気象情報、POSデータ、位置情報などを組み合わせてPRを強化していくことに取り組んでいる」との話がありました。
そして、「PRのデジタル化では、最新の技術やメニューばかりに目が行きがちだが、あらゆるデータを把握し、PR視点で企画やコンテンツを作り出すことに注力しなければ、最新のテクノロジーもオーバースペックになってしまう。ポイントは、デジタル技術を駆使して情報を集め、企画の糸口を発見し、最適な手段でそれをターゲットに届ける手段としてデジタルを活用すること」としてプレゼンを締めくくりました。

広告が効かない時代に生活者に“語られる”コンテンツマーケティングの考え方

seminar_mononobe続く二部では、スパイスボックス コンテンツマーケティング局長の物延秀氏が登壇。10年以上、「ウェブ上で認知を高めたい、話題化させたい」というクライアントの要望に応え続ける中で育んできたコンテンツクリエーションノウハウについて解説。最初にコンテンツの中身が重要になってきた背景に言及、「生活者が接触する情報がインターネット普及前に比べて爆発的に増えており、消化しきれなくなっていること」をあげました。

また、情報接触の変化も指摘。「スパイスボックスでは情報接触のあり方をリンクグラフ(検索での情報接触)、ソーシャルグラフ(人経由での情報接触)、インタレストグラフ(興味に基づく情報接触)の3つに整理していますが、それぞれに変化が起きている」というのです。

リンクグラフにおいては、「若年層の間で主流がgoogleからtwitterとinstagramにシフトしつつある」といいます。二番目のソーシャルグラフでは、「LINEなどワンツーワンのユーザーコミュニケーションが増え、ダークソーシャルという第三者が入り込めない場所での情報量が急速に大きくなり、三番目のインタレストグラフでは、キュレーションメディアやbotといったAI機能を搭載したソーシャルメディアの発展で、自動的に興味のある情報が届いてしまい、検索そのものの必要性がなくなりつつあります」と続けます。

すなわち、「消費者のコミュニケーションはどんどんクローズドになってきており、限られたプラットフォーム上でのコミュニケーションで十分事足りてしまうということが起こっている」というのです。「したがって、その限られたプラットフォームの中に情報を入れ込んでいくこと」が企業に突き付けられている課題になっていると物延氏は指摘します。情報流通は「知らせる」から「選ばれる」そしてユーザーによって「語られる」時代になり、プラットフォーム上で語られ、人から人へとシェアされることが必須の状況になってきているのです。

ソーシャルで注目されている問題にマッチした文脈を作る

では、どのようなコンテンツが語られるのでしょうか。「生活者と関係性を強めるという意味では必ずしもコストをかけた大規模な演出や凝ったクリエイティブが必要なわけではない。」と物延氏は強調します。「ソーシャル上の文脈と生活者のインサイトをしっかりとらえることが重要」だと言うのです。

その顕著な例として、ワイドショーを大いに賑わせ、日本中が関心を寄せた芸能人のゴシップネタと、ハロウィンの翌日掃除する子どもたちを写した一枚の写真のSNS上でのシェア量を比較したものを示しました。これによると、後者のシェアは前者の20倍です。

要因としては、それぞれの生活者が情報を発信できるようになったことで、ジャーナリストとして機能し始めていると仮説を含めて述べます。「人が他人にわざわざシェアする情報というのは、ゴシップやエンターテイメントではなく、社会性の高い情報だったりする。これを海外ではソーシャルジャーナリズムと呼び、その概念が普及し始めている」そうです。

そのように、生活者に情報を語らせるためには、「生活者や社会で問題になっていることをしっかりと把握しながら、コンテンツの文脈を作っていくことが大切」と述べます。先ほどの写真の例でいうと、ハロウィンの街での盛り上がりがあったために、翌日、メチャクチャになった街を一生懸命に掃除する子供達の写真により注目が集まり、語るべき情報となったわけです。

「語られる」コンテンツを創出するメソッド

seminar_slide_4これを仕掛けるコンテンツを創出するために、スパイスボックスでは、ソーシャルで話題になっていることやなりそうなことと、商品・サービスの特徴をうまく掛け算して、ブランドを高めるコンテンツを紡いでいくメソッドを開発し、活用しているそうです。

いくつか手がけた映像コンテンツも例としてあげられました。例えば、ワコールのCSR活動をテーマとしたコンセプト動画「Her True Stories」。ワコールは、下着業界のトップメーカーとして、長らくCSR活動に熱心に取り組んできました。しかし、その活動がほとんど消費者に知られていないという課題を抱えていました。今回の動画では、同社のCSR活動の中から、思春期の女の子とその保護者が身体の成長と下着について学べる「つぼみスクール」活動をピックアップ。同サービスと、思春期の女の子が「一番信頼できる相談相手である母親にも言えない、心や身体の悩みを抱えている」という生活者インサイトを掛けあわせ、しゃべる不思議なぬいぐるみを通して、母と子のコミュニケーションを優しく後押しするコンセプト動画を制作しました。それにより、動画の再生回数は300万回を超え、SNS上で世界中から共感コメントが発信されました。

一方、NTTぷららの案件では、データ容量を気にせずインターネットが楽しめるSIMカードの特徴を伝えたいという課題がありました。これに対し、面白い動画を見ているときに通信量制限で動画が止まってイライラするという不満がWeb上で多く見られたため、その文脈に商品特徴を掛け算する動画を企画。YouTubeで人気が高い「女子高生が歌ってみた」という動画コンテンツを作り、その中で通信量制限のイライラを疑似体験させる仕掛けを施しました。結果、動画の再生回数が200万回を越えるなど、ソーシャル上での情報拡散に成功。通信量制限に対する共感を同社商品への興味にまでつなげることが出来ました。

コンテンツプロモーションの構成要素をワンパッケージにしたコンテンツマーケティングソリューション『BRAND SHARE』

seminar_slide_5また、上記のようなコンテンツの作り方とその拡散方法についても具体的に言及。クリエーションに加え、情報流通、分析・効果測定、という3つの構成要素があると述べました。

まずクリエーションの中で、特に大切になってくるのは、「ソーシャルで問題を発見し、話題化につなげていく」部分で、これを実現するためには3つのステップがあるそうです。具体的に言うと、ステップ1では、ツールを使い、ブランドに関連するキーワードをソーシャルの話題の中から抽出します。ブランドに直接関連するキーワード、比較検討する際に使われる競合などのキーワード、さらに、広くカテゴリーで関連するキーワードなどを抽出するわけです。

ステップ2では、そこで抽出されたキーワードを含む動画やツイートをSNSで調べ、エンゲージメントが多い順からランキングしていきます。そこから見つけたトレンドを踏まえ、ステップ3でコンテンツのストーリー設計を行います。

次に、情報流通について説明しました。ここでは、ソーシャル拡散効果が高いメディアについて言及。「実はYahooニュースは、エンゲージメントについては、それほど高くなく、クレイジーやgrapeなどの新興サイトの方がずっと高い」との紹介がありました。

そういったソーシャル拡散系のニュースメディアとリレーションを構築することを目的にスパイスボックスでは、newStoryという自社メディアを運営しているとのことです。コンテンツを制作してニュースメディアに直接提供し、コンテンツが枯渇しているメディアの一助になることでリレーションを高めています。

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続いてコンテンツの効果測定についても説明。これまでは代表的SNSのいいね!やシェア数などのエンゲージ数を図るところまでしかできず、実際に情報がユーザーにどの程度リーチしたかを数値化する方法がありませんでしたが、これを可能にするツールを自社内で開発。現在ではコンテンツリーチという手法で計測することを行っているとのことでした。

そして、スパイスボックスでは、これら3つの構成要素、クリエーション、情報流通設計、分析・効果測定をワンパッケージにしたコンテンツマーケティングソリューション『BRAND SHARE(ブランドシェア)』を提供し、企業やブランドのコンテンツを効果的にユーザーに届けているとのことです。

テレビへの情報発信も含めた立体的な展開も必要になってくる

最後にまとめとして、「コンテンツプロモーションでいうと、ソーシャルで拡散されること自体が大きな目的の一つですが、そこにブランドの思想を上手く掛け算して展開していくことが非常に重要です。そこで、テレビなどへの情報発信も組み合わせ、立体的に情報発信していくことが必要になってくると思います」と述べ、締めくくりました。

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