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“Social Experiment”に高い評価! SPIKES ASIA 2016 PR部門審査員・遠藤祐インタビュー

2016.10.20広報担当
Processed with Snapseed.スパイクスアジア2016 PR部門 審査員の皆様
(左から、ANDREW THOMAS氏、TRISH SHERSON氏、CASSANDRA CHEONG氏、遠藤祐、BHAVNA JAGTIANI氏、REBECCA AHERN氏、VANESSA HO氏、LEAH CARINGAL氏)

シンガポールにて2016年9月21日から9月23日の日程で開催されたスパイクス・アジア2016。この、アジア地域最大級のコミュニケーションとクリエイティブの祭典にPR部門の審査員という立場で参加し、熱気あふれる刺激的な4日間(審査含む)を過ごしてきました。

運営はカンヌライオンズと同じ組織ですので、同じ作品がカンヌに続いてなんらかの賞を受賞することも多いのですが、スパイクス・アジアのPR部門審査団においては“PRはコミュニケーションの最上流”とする空気がナチュラルにありました。

PR部門の審査員は全部で8名、うち実に6名までが女性で、審査員長も女性。いずれも各国のPR業界で20年以上のキャリアを有するベテラン揃いです。まずはひとり150点ほどのエントリを延々と採点し続ける過程を経て、エントリ作品を段階的に絞り込んでいきます。なお、大半の過程でPR担当企業の名前は伏せられたままです。

受賞はサブカテゴリ単位で検討していくので、同じ作品があるサブカテゴリではゴールドだが、他のサブカテゴリではショートリストにも入らない、といったことも見られました。ですので、賞獲りにおいては部門の研究と同じくらいサブカテゴリの研究が欠かせません。

たとえば、極端にエントリ数の少ないサブカテゴリはそれだけで狙い目です。また、現代日本にも社会課題はあるのですが、他国のそれと比べると、深刻さのレベルが違うので、結果、不利になってしまう傾向があります。

今年のPR部門のグランプリも、インドにおける悲惨な社会問題の解決にフォーカスしています。

■ CHAMKI – THE GIRL FROM THE FUTURE

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/

これはプレゼンテーション・ムービーだけでは少しわかりにくいのですが、審査員のみが参照できる資料や「Lifebuoy Help A Child Reach 5 – Chamki」のWeb Site に背景が説明されていました(CHAMKIは、母親が市場で選んだ服を着て、結ってあげたいと話していた髪形をし、少女に成長した姿で画面に登場します)。


https://www.youtube.com/watch?v=VsnP_6kdtDY

キャンペーンのテーマは「インドにおける乳幼児の死亡率を少しでも引き下げるため、石鹸で手を洗おう」ということで、クライアントはユニリーバ、対象となるプロダクトは「ライフブイ」(石鹸)。これ以上ないほどシンプルかつストレートなPRでありながら、あまり票も割れずにこの「CHAMKI」がグランプリに決した理由を振り返ってみましょう。

最初のキーワードは“Narrative”(ストーリー性、議論を巻き起こす要素、またはそのトリガー)。主人公となる母親に密着し、やがて産まれる娘への思いを丁寧に掬いあげ、それを印象的なショットに仕上げて巧みに配したことで、ムービーに厚みと奥行きが加わっています。

そして“Social Experiment”(社会実験)。核となるアイデアを説明抜きでぶつけて、反応をみる。果たして狙った態度変容を起こすことはできるか?というアプローチのことで、今年のスパイクス・アジア全体のキーワードのひとつといえるほど目立ちました。「CHAMKI」で行われた社会実験では、母親が涙するほど心を揺さぶられる結果となりました。

結果、「CHAMKI」で訴求した「石鹸で手を洗う行為」は国連の提唱するSDGsの17のゴールの一つに組み入れられたというResultも審査では評価されました。公益に資するプロジェクトはやはり有利ですし、見たこともないほど斬新なアイデアは当然高く評価されます。また、「もしこう来たらどうする?」というシナリオを綿密に準備し、ライバル企業へあり得ないオファーを仕掛けた作品も複数ありました。そして態度変容という観点でいえば、実際に一国の法改正をもたらしたキャンペーンのエントリまであり、驚かされました。

特筆すべきは、PR会社以外の異業種から旺盛な参入があり、スパイクス・アジアにおいて高い評価を得ていることです。世界の優れた作品に伍し、さらに打ち勝っていくには、シンプルでわかりやすいアプローチ、圧倒的なクリエイティブ、そしてムービーでいかに物語として語れるかが必須です。日本はどうしてもハイコンテクスト文化なので、前提として共有されているべき文脈が作品に織り込まれてしまっており、残念ながら外国人審査員に「これのどこが面白いの?」と言われてしまうケースも少なからずありました。

なんであれ、「自分の仕事とは関係ない」というスタンスではもったいない。まずは、受賞作品のムービーを見るところから始めましょう。

■ MCWHOPPER

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/entry.cfm?entryid=569&award=2

■ THE NATION’S BIKE

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/entry.cfm?entryid=3826&award=2

■ THE LAST WORD

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/entry.cfm?entryid=577&award=99&order=0&direction=1

■ MARRIAGE MARKET TAKEOVER

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/entry.cfm?entryid=3860&award=3

■ REWORD

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/entry.cfm?entryid=3272&award=3

■ MESSAGE FROM SUGARCANE

https://www.spikes.asia/winners/2016/pr/entry.cfm?entryid=3291&award=99&order=0&direction=1

スパイクスアジア公式サイト : https://www.spikes.asia/home/

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