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シリーズ:リスクとレピュテーション~危機管理広報最前線~/③「パーパス」について気を付けるべきこととは?

2020.12.10

 オズマピーアールは、これまで多くの企業・団体に対して危機管理広報のサービスを提供してきました。近年では、SNS炎上時の顧客対応や地域住民団体とのコミュニケーション支援など、従来のリスク・クライシス発生時のメディア対応サポートに留まらず、事業領域が拡大しています。広がり続ける危機管理広報の現状について、弊社コーポレートコミュニケーション部の担当チームが執筆するコラムの連載をスタートさせました。

 

- オズマピーアール コーポレートコミュニケーション部 清水皓平

 

重要性が高まりつつある経営トレンド「パーパス」の注意点

 会社の方向性を示すものとしてこれまで掲げるものは、ミッション・ビジョン・バリューが一般的でした。しかし最近は、「パーパス」という言葉をビジネス系雑誌やWEBでよく目にするようになりました。

 パーパスとは、「自分たちは社会に何を働き掛けたいのか」という、社会に必要とされる存在意義を示した言葉です。企業・ビジネス目線ではなく、社会的意義を含めたパーパスを軸にして企業のコミュニケーションを行う考え方は、先行きが見えないといわれているVUCAの時代において重要性が高まりつつあります。

 また2025年にはミレニアル世代が世界の労働人口の約75%を占めるといわれています。<※1>ミレニアル世代は金銭的なインセンティブを企業には求めておらず、その企業に所属することになって何が達成できるかを重視している傾向にあるといわれています。<※2>

 そういった社会的背景を踏まえた取り組みとして、各企業はパーパスを新しく策定し始めています。広報担当者にとってもリリース作成や社外イベント開催目的を考える上で、事業やサービスを提供していく理由にあたる「パーパス」に基づいて情報発信していくことは、コーポレートブランディングとして大事なことだと私は考えています。

 しかし、そのパーパスを使った情報発信の際には注意しなければいけないことがあります。情報の受け手に“ウォッシュ”と認識されないようにする必要があるのです。

 

パーパスウォッシュに気を付けて

 “ウォッシュ”と言えば、数年前までは「グリーンウォッシュ」、最近では「SDGsウォッシュ」などが世間で問題となっています。

 例えば、『●●●●年までに、温室効果ガスを△%と削減する』という目標を掲げていても、その実現に向けた環境施策など具体的な取り組みが発信されていなければ、その企業を取り巻くステークホルダーに不信感が生まれてしまい、「実態が伴っていない」とウォッシュを指摘されてしまいます。

 また、さも新しい取組みとして実施しているかのように、既存の取組みにSDGsロゴをつけて情報発信していく事もSDGsウォッシュとして思われる懸念があります。

 パーパスも同様に、新しく策定し掲げたとしてもパーパスが示す目的の実現に向けて具体的な自社の取組みがされていなければ、掲げただけの飾りの状態となってしまい「パーパスウォッシュ」と認知されてしまう事が予想されます。

 

パーパスウォッシュとならないためには

 では、「パーパスウォッシュ」とならないためにどうすれば良いのでしょうか。

 これはパーパス作成段階において必要なポイントが抑えられていないからだと考えます。そのポイントとは、「共感」です。

 まず、ウォッシュを引き起こす原因として考えられるのは、社員一人一人がなぜここに集まっているのかを表す理由が深堀りできていないからだと考えられます。これはパーパスの作成で最も重要な部分であり、「共感」を生むポイントでもあります。

 社員が何に「共感」しているかをパーパスで明確に示さなければ、基づく具体的な取り組みが創出されづらくなります。そうなれば、前述したウォッシュ化の原因にもなりかねません。

 実際に私がパーパスの作成に携わった企業では、全社員へのアンケートを実施し、会社や担当している事業について感じている価値観について回答してもらいました。それらを元に全社員が「共感」する複数の言葉を見つけ出し、それらを一つの文章として作り上げました。

 もし、これが一部の上位層のみで決まっていたなら、社員の意見は無視されている状態になり、社内には経営に対して不信感が募っていたでしょう。それでは、パーパスを中心とした企業経営が難しくなってしまいます。

 それを避けるためには、パーパスが理解できるだけでなく「共感」し得るものである必要があります。「共感」できるものであれば、パーパスに基づく取り組みが立ち上がった際も、自発的にメンバーが集まるようになります。

 そのためパーパスは、トップダウンで決定するのでは無く、一人一人が自社で働いている理由と対峙して考え、全社員がその言葉に「共感」して誇りを感じ、その言葉に基づいて自発的に物事が起こるようなものを創り上げることが重要です。

 広報担当者としても、せっかくの情報発信が世間からの批判を買ってしまうような状態は避けたいはずです。そのため広報担当者は、上記の情報発信リスクを踏まえた上で、パーパス作成に参加していく必要があると考えます。

 

 

※1:JETRO(日本貿易振興機構)ニューヨークだより201810月号

https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2018/ec095202b7547790/ny201810.pdf

 

※2:デロイトトーマツ 調査レポート コロナ時代にキャリアへの不安を強める日本のミレニアル・Z世代

https://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/about-deloitte/articles/about-deloitte-japan/millennial-survey.html

 

 

 

清水 皓平(しみず・こうへい)

株式会社オズマピーアール コーポレートコミュニケーション部 アソシエイト


大学で、ジャーナリズム論を専攻しメディア特性について研究した後、株式会社オズマピーアールに入社。入社後は、そのバックグラウンドを活かし、メディアがどのように企業や団体について報道しているかを調査する「定量・定性論調分析」や、インタビューや記者会見などのメディア対応のスキルを学ぶ「メディアトレーニング」に従事。また、「皆が働きがいを持って働けるように」という想いからコーポレート分野に注力し、企業のパーパスや大学広報のメッセージ作成を支援している。現在は、マネジメントの常識を覆す次世代型組織と言われている「ティール組織」について勉強中。

 

 


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オズマピーアールの専門機能:メディア・トレーニング

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