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モノづくりもサービス開発もやるーーそのスタンスがPRの可能性を拡げていく

DAISUKE TANBA

丹場 大輔

コミュニケーションデザイン部 部長

デジタルコミュニケーション、インバウンド、コーポレートコミュニケーション、食品・飲料、日用品・消費材、IT

2009年入社。大手の通信会社・電機メーカーの広報業務を通し、メディアリレーションを中心にキャラバンからイベント対応まで広報の基礎を培う。2012年より博報堂のPRセクションに2年間常駐。従来のPR手法にとどまらない統合的なコミュニケーション立案に携わり、航空会社や自動車、製薬系など更なる領域の幅を広げる。現在は、デジタルPR・グローバル領域での新規ビジネス開発を手がける。

時代と呼応しながら、変化を遂げてきたPR業界。ヒトとヒトとをつなぐ、モノをつくる、場を提供する――その業務はいまや情報発信の範疇だけにとどまりません。今やモノづくり、そしてサービス開発も仕事の一部なのです。社内外のあらゆる角度からPRを見つめ、伴走してきた丹場大輔が、その可能性について語ります。

統合的コミュニケーションを経験し、PRが“できること”の広さを知る

 

▲博報堂での常駐を経験し、PRの可能性を広げた丹場は9年目の中堅社員に。

 

大学で社会学を専攻し「複雑な社会現象を設計する側の人間になりたい」という思いを胸に、新卒でオズマピーアールに入社した丹場大輔。PRを基礎からびっちりと学んだ、中堅社員のひとりです。

 

丹場「入社1年目は、新聞・雑誌などの記者や編集者にアポを取り、クライアントの商品を持っていき、情報提供をするというメディアキャラバンを月40~50件こなしていました。
2~3年目は広告代理店との協働業務に移行し、主に記者発表やイベントの運営などをやっていました。とにかく対メディアという一方向で仕事をしていましたね」

 

そして4年目に突入した時。丹場は大手広告代理店・博報堂のPRセクションへ常駐します。この2年間の経験が彼にとって大きなターニングポイントとなりました。

 

丹場「統合的なコミュニケーションというものを経験できたおかげで、それまで“PRはこうあるべき”と思っていたアウトプットへのこだわりが一切なくなったんです。

 

これまでは、自分の仕事は『メディア露出を獲得して終わり』だったのですが、『メディア露出後に興味を持ってくれた人にとって親切な情報導線は何か?』など、そのパブリシティの前後のことについて考えるようになりました。

 

さまざまなコミュニケーションやチャネルから、その商品やサービスに最適な方法を選択すればいいんだ、と」

 

立場が変わり、視座が上がった。そこから変化し続ける外部要因や、PRそのものの役割を丹場の中で初めて認識できた瞬間でした。

 

 

外の声のフィードバックという、社内インプットも広報の使命

 

▲学生とのワークショップの模様。今や教える立場として、社内外で講師を務めるまでに。

 

現在はオズマピーアールに戻り、新規ビジネス開発などさまざまな分野の業務に携わっている丹場。業務のかたわら、外部でおこなわれる広報セミナーの講師も務めています。先ごろ登壇したのは「メディアリレーション」をテーマにした、事業会社の広報担当者向けのもの。

 

そのセミナー終了後に聞いた参加者の話に、丹場は驚きを隠せませんでした。

 

丹場「自分の仕事は、商品開発部から受け取ったスペック情報をもとにリリースを書き、できあがったらそれを記者クラブに持っていくのみ。その一連の“作業”には、自らのクリエイティビティを発揮する場面がない、ルーティンワークになってしまっていると言っていたんです」

 

丹場はその参加者に次のような話をしたといいます。

 

丹場「メディアの特性によって、話し方やリリースのタイトルを変えてみる、というような工夫をしようと。

 

一見小さな工夫でも、実はクリエイティビティを発揮できることのひとつであり、リレーション上とても大切なことなんです。それによって、これまで思考停止的に作っていたリリースより、はるかに露出への確率は上がるはずです」

 

情報のアウトプットだけでなく、社内へインプットをするのも広報担当の役割だという丹場。

 

丹場「例えば、接したメディア担当者から、商品についての要望や意見をもらったら、それを商品部にフィードバックすることも重要です。彼らはメディアの人間であるのと同時に読者(生活者)の代弁者。さまざまな商品やサービス情報に日々触れ、その視点を養っているわけです」

 

情報をどう扱えば、反応してもらえるアウトプットができるのか。社内に貢献できるインプットを得られるのか。一つひとつのプロセスを作業化せずに丁寧に積み上げていくことが、広報の価値や地位を上げていく。



丹場は、このセミナーでの気づきをきっかけに、PRパーソンとしての当たり前を伝えていきたいと心に刻んだのです。

 

 

人の ホンネと 建前を聴き分ければ、アウトプットの手段は自然と定まる

 

▲全ては「聴くことから」を信条とする丹場。忘れられがちな、広聴の必要性を説きます。

 

PRの肝である“広報”にとって大切なのは広聴、すなわち「広く聴く」こと。前項の記者からのフィードバックを聴く、ということもそこに含まれます。近年では、広聴のひとつとしてSNS上で発せられる声を分析する「ソーシャルリスニング」も頻繁に行われています。

 

丹場「日々業務を通じて実感しているのは、人はデジタル上であっても、きちんとホンネと建前を使い分けている。一言にSNSといっても、発信するSNSの種類やアカウントによって、ホンネと建前を使い分けている人は多い。

 

どのような文脈でそのメッセージが発信されているのか一旦立ち止まり、バランスよく聞き分ける力がPRでは非常に重要になります」

 

今の時代だからデジタルを重視する、のではなく、どの声もニュートラルな視点で読み解く。ホンネと建前を聞き分ける。そのプロセスに必要な素養とは一体何なのでしょうか。

 

丹場「いい意味でミーハーなことですかね。さまざまな声と素直に向き合い、ユーザーが何を考え、欲しているのか、不満に思っているのか。これを納得がいくまで突き詰めること、これが大切ですね」

 

一方通行のコミュニケーションではなく、あらゆる声に耳を傾け、その文脈をしっかりとらえる。このステップが、結果として多くのステークホルダーとのつながりをはぐくむ――これこそ丹場が業務を通して実感した広報スキルの基盤です。

 

 

競争から共創へ。会社の垣根を超えていけ

 

▲IoTに店舗作り……「PRそこまでやるの?」と思われがちですが、社会と顧客の接点作りこそが、PRの目的であり使命です。

 

コミュニケーション(=情報発信)にとらわれない、PRの形をつくりたい。そんな思いで新しいソリューション開発チームの立ち上げに参加した丹場。入社7年目のことでした。

 

丹場「時代が変わり続けていく以上、自分たちもそれに順応していなかければ、PRの仕事は成り立ちません。いまのPR概念そのものが変わる可能性も否定できません」

 

現在、丹場が担当しているのが、IoTデバイスそのものをつくるプロジェクト。もともとは、CSR(企業の社会的責任)の観点から生まれた企画でした。

 

丹場「天候や位置データの掛け合わせによって、とある社会課題から人を守るデバイス制作のプロジェクトを進行しています。

 

これは従来ならものづくりのカテゴリーになるのでしょうが、社会課題を解決したいという思いから生まれたPRの新しい形ととらえています。こういう社会課題や世の中のトレンドから着想を得たものづくり。これこそがPR発想だとも思っています」

 

PRを基礎から学び、広告代理店への常駐によって大きな視点を得て、現在は多くの新しい事業に携わっている丹場。将来、個人的にやってみたいことは?

 

丹場「PR会社やPRパーソンが、ともにライバル関係で切磋琢磨していく”競争“も大事ですが、ともにこれからのPRカルチャーを作り上げている“共創”も大事だと思っています。

 

会社間の垣根を超えて、PRの可能性を拡げるようなプロジェクトをやってみたいです。一見遠回りに見える道かもしれないですが、情報が消費されトレンドが目まぐるしく変化していく今の時代で、PRの価値を向上させていく近道なのかもしれません」

 

変わりゆく環境に順応しながらPRの可能性を信じて進む丹場は、オズマピーアールの時代の伴走者であり体現者なのかもしれません。

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