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大東市ブランドブック『me too! DAITO』制作プロジェクト

~ウチとソトの「ギャップ」を味方に~ ブランドブックで、進化する大東市の等身大の魅力を発信

大阪市東部に位置する「大東市」。東は奈良県、西は大阪市に隣接する人口およそ12万人の地方自治体です。「子育てするなら、大都市よりも大東市。」をスローガンにかかげ、主に子育て世代をターゲットにしたシティプロモーションを実施しており、オズマピーアールもPR戦略の策定や実行の支援を行っています。そしてさらなる展開として、市内外の若年層世代をターゲットに大東市の魅力を伝えるブランドブック『me too! DAITO』を制作し、2022年6月に公開しました。
公開後、子育て世代をはじめとした多くの方が手に取っていただいているなどの反響を得ています。

課題と戦略

必要なのは、俯瞰したPR視点の情報発信

大東市へのアクセスは、大阪の都心から電車で約10分。立地の良さに加えて、緑に囲まれた自然豊かな環境も特徴です。近年では公民連携プロジェクトによってショップ・公園・住宅エリアが1つになったコミュニティスペース「morineki」が誕生するなど、ますます住みやすい街に進化しています。
市担当者との打ち合わせの中では、そうした街の新たな動きを含めて、街の良さがうまく伝わっていないことが課題に挙がりました。さらに打ち合わせを重ねると共に実施に街を歩いてみると、大東市に対する市職員や市民などのインナーから見た目線と、市外から見た目線ではイメージのギャップがあることが浮き彫りになってきました。

単なるガイドブックではなく、読み手に大東市を好きになってもらうメッセージ性を込めたメディアを作りたい。そのためには、このギャップをうまく魅力に変える企画の切り口と、つい最後まで読んでしまうデザイン、そして大東市がこれまで積み重ねてきた成果のファクトや取り組みを、俯瞰したPR視点から一つにまとめる必要があると考えました。

課題

  • 大東市に対する市内/市外のイメージのギャップ
  • ネット検索では分からない街の魅力を発信するツールが不在

アプローチ戦略

  1. イメージのギャップをあえて活かした企画
  2. 読み手を無理なく引き込むキーワード
  3. テンポ良く読み込めるデザイン

〔コミュニティスペース「morineki」が公民連携プロジェクトで誕生するなど変化する大東市〕

PR施策 活動内容

[アプローチ戦略1]
イメージのギャップをあえて活かした企画

市内の店やスポットをただ紹介するだけでなく、重視したのは、市外の人にも興味を持ってもらうための仕掛け作りです。そのための手がかりになったのが、先述した「ギャップ」でした。

大東市を知らない市外の人もすんなり入り込めるストーリー仕立て

大東市の名前を知っているけれども、あまり関わりの無い市外の人びとにヒアリングしたところ、「大東市ってどんなところ?」という漠然としたイメージしか持たれていませんでした。一方で、大東市出身・在住の若手市職員は街に対する熱量や愛着が非常に強く、冊子で紹介したい場所やコンテンツも多岐に渡りました。注意しないといけないのは、熱量をまるごとぶつけてしまうと、読み手は遠のいてしまう可能性があること。そこで、双方のギャップをあえてそのまま誌面で企画化することを試みました。

具体的には、大東生まれ・大東育ちの「ゆかりん」、大阪市内から大東市へ転入してきたばかりの「さみー」、府外出身で就職をきっかけに大東市へやってきた「あびちゃん」という3人が誌面に登場。大東市のことを知らない2人(=市外の人のリアル)が、ゆかりんのナビゲーションで街のあらゆるスポットを巡るという構成です。出身地の違う友人の地元に誘ってもらうようなワクワク感を読者にも追体験してもらうことを目指しました。
掲載された場所は職員が積極的に出してくれたアイデアから厳選し、街の魅力を凝縮しています。

〔市外出身の「さみー」「あびちゃん」が、市内出身・在住の「ゆかりん」のナビゲートのもとで、
どんどん大東市が好きになっていくというストーリーで誌面を構成(モデルは3名とも市職員)〕

[アプローチ戦略2]
読み手を無理なく引き込むキーワード

企画に加えて、一冊の核となるキーワード設定も重要と考えました。このブランドブックでは、タイトルや誌面のあちこちに「me too!」という言葉を散りばめています。

「me too!(私も!)」が生み出す、共感の連鎖

ブランドブックのタイトル『me too! DAITO』には、「あなたもきっと、好きになる」という意味を込めています。また、随所にアイキャッチとして設けた「me too!」ポイントでは、大東市を知らない人の視点から見た魅力を一言コメントとして紹介しています。

ゆかりんが「絶対みんなも好きになるよ!」と冒頭で2人に向けて話した通りに、読者もいつの間にか一緒になって「me too!」と言いたくなってしまう。特徴的なキーワード使いによって、自然な共感の流れを作り出しました。

〔誌面の随所に「me too!」ポイントを設定〕

[アプローチ戦略3]
テンポ良く読み込めるデザイン

「女性が手に取りやすい雑誌のように」という依頼を踏まえながら、最後まで読み飽きないデザインにすることも課題でした。何もかも盛り込むことはせず、情報の絞ったメリハリのある誌面デザインを心がけました。

リアルな体験を前半にまとめ、市の制度は分かりやすくコンパクトに紹介

雑誌のような雰囲気は一見するとおしゃれですが、ともすれば虚像のように見えてしまうことも。このブランドブックのメインとなる3人が市内を巡るページでは、「誰かの目線を通して見た世界」をイメージ。リアルとおしゃれのいい塩梅となる部分を突くことで、“伝わるデザイン”を心がけました。大東市出身のフォトグラファー・田中将平さんによる爽やかで透明感のある写真も、女性が手に取りやすい柔らかな雰囲気となっています。

また、後半の見開き2ページで展開した「DAITO DATA」では、子育て情報や奨学金返済サポートといった市の制度を紹介。読者が気になった情報にアクセスできるよう、情報を詰め込み過ぎずに動きのあるデザインを採り入れました。

〔写真撮影は大東市出身のフォトグラファー・田中将平さんが担当〕

〔子育て支援、移住・定住支援などの情報もコンパクトに紹介〕

まとめ

大東市と四條畷市にまたがる国史跡「飯盛城跡」が、第1回「日本城郭協会大賞」を2022年4月に受賞したり、コミュニティスペース「morineki」が2022年度都市景観大賞(都市空間部門)において大賞を受賞したりと、対外的な評価も高まっている大東市。

また、「子育てのしやすいイメージ」や「市民の居住継続意向」といった数値も上昇しています。今回制作に携わったブランドブック『me too! DAITO』が、大東市の等身大の魅力をさらに広げていくきっかけになればと思います。

プロジェクトメンバー

関西支社 コミュニケーション・プロデューサー
久保田 敦

水族館開業時の広報部門立ち上げなどの経験を経て、2015年オズマピーアール入社。関西支社にてさまざまな業種・領域の企業・組織のパブリックリレーションズ業務推進に携わり、現在に至る。特にクライアントが取り組む社会課題をステークホルダーも巻き込んで共に解決する中長期のプロジェクト推進に強みを持つ。

関西支社 シニア・アソシエイト
濱野 香澄

広告代理店でのデジタルマーケティング支援を経て、2022年オズマピーアール入社。デジタルコミュニケーション、オウンドメディア制作に強みを持ち、PR・マーケティング双方の視点からの施策立案に従事。

▼アートディレクション
HAREBARE inc
クリエイティブディレクター 壽山 吉隆
デザイナー 安藤 綾沙

▼フォトグラファー
田中将平写真事務所
田中 将平

▼ライター
原田 麻衣子

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