空気清浄機を “睡眠関連市場”で売り出す。SANKA「寝呼吸」がクラウドファンディングの目標金額を大きく上回る結果となったマーケティング支援事例とは?
新潟のモノづくり会社・株式会社SANKA様が新たな空気清浄機を発売するにあたり、課題となったのは、大手含む国内メーカーが多くの製品を展開する成熟市場の中で、いかに新規需要を生み出すかという点でした。
本事例では、製品を「空気をきれいにする家電」ではなく、“睡眠の質を支える製品”として再定義。市場の捉え方そのものを見直し、コンセプト設計やネーミング開発を一貫して支援しました。
その結果、既存の空気清浄機市場ではなく、“睡眠関連市場”という新たな文脈でのブランドポジション形成へ寄与し、クラウドファンディングでは目標金額を大きく上回る結果に。本記事では、そのマーケティング支援活動における3つのポイントを紹介します。
- 競争の激しい既存市場ではなく、“戦う市場を転換”するマーケティングコミュニケーション部の戦略設計
- 製品の機能を「空気の清浄度」ではなく、「睡眠の質を支える」というさらなる価値へ転換
- コンセプト設計・ネーミング開発を一貫して支援し、“睡眠関連市場”でのポジション形成と、クラウドファンディングで1,044名の支援者を獲得し、目標金額を大きく上回る成果に貢献
成熟市場の販売課題を、社会や生活環境との関係から問い直す
オズマピーアールのマーケティングコミュニケーション部とは?
オズマピーアールでは、“ブランドの成長”と“社会の共感”を両立する「最適解=新しいあたりまえ」を生み出す独自のメソッドとして、「社会デザイン発想®」を掲げています。この考え方に基づき、幅広いコミュニケーション戦略の立案から実行までを支援しています。
なかでも、マーケティングコミュニケーション部(MC部)では、まだ顕在化されていない商品・サービスが持つ社会的な側面の価値を“公益的価値”として再定義し、それを軸にした戦略設計から実施までを一貫して支援しています。
今回ご紹介するのは、新潟にあるモノづくり会社SANKAが新しく発売した空気清浄機のマーケティング支援事例です。
★こんなお悩みをお持ちの方におすすめの事例です
- 市場が成熟しており、既存ターゲットだけでは成長余地が見えにくい
- 競合との差が、価格や機能の話に寄りがち。商品・サービスの魅力はあるのに、選ばれる理由がつくれていない
課題
空気清浄機市場では、国内大手メーカーをはじめ多くの企業が製品を展開しており、後発となるSANKA様が新たに存在感を示すには大きな課題がありました。
また、製品としての開発力や品質を備えている一方で、他社製品と比較した際に、機能面だけで明確な差別化を図ることは容易ではありませんでした。家電量販店での売り場確保も難しく、従来の空気清浄機市場の中で戦うだけでは、十分な成長機会を見出しにくい状況でした。
そこで、「既存市場の中でどう差別化するか」だけでなく、「この製品の特長は、どのような生活環境でより価値を発揮するのか」と問いを捉え直しました。
“空気清浄機市場”ではなく、“睡眠関連市場”で価値をつくる―コンセプトとネーミング設計
“空気清浄機市場”から“睡眠関連市場”へ―。戦う市場を転換する独自の戦略設計
これまで空気清浄機は、「空気をどれだけきれいにできるか」という機能価値を中心に語られてきました。
そこで、周辺市場や生活者の行動を分析。睡眠関連市場、なかでもスリープテック市場への関心の高まりに加え、人は睡眠中、寝室で7,392回という多くの呼吸をしていること(※1)、寝室にはホコリがたまりやすいことに着目しました。
さらに、本製品が持つ静音性や、床面に近い場所からホコリを吸引できる特長を掛け合わせ、寝室の空気環境を、睡眠に関わる生活環境の一つとして捉え直しました。
こうした分析をもとに、製品を“睡眠の質を支える製品”として再定義。「よりよい睡眠のために、寝室の空気環境にも目を向ける」という新たな選択肢を提示するコンセプトを設計しました。

“睡眠関連市場”で戦えるネーミング策定
本事例では、製品名の開発にもオズマピーアールが関わりました。
従来の空気清浄機とは異なり、“睡眠の質を支える製品”であることが一目で伝わる名前として、「寝呼吸」を策定。
ネーミング開発にあたっては、まず製品の機能や生活者にとってのベネフィットを整理し、睡眠との親和性が一見して伝わる表現の方向性を検討しました。あわせて、寝室の空気環境を整え、心地よい呼吸を支える空気清浄機という特長や競合製品のネーミングも踏まえながら、差別化できる言葉の設計を行いました。こうした検討を通じて、製品の性能と睡眠を想起させるイメージを掛け合わせた「寝呼吸」という名称へと落とし込んでいきました。

(※1)本表現は、以下の公的データをもとに算出しています。
・安静時の呼吸回数:16回/分(一般社団法人 日本呼吸器学会 公開情報より)
・睡眠時の呼吸量:0.37m³/時間 (国立研究開発法人 産業技術総合研究所
「曝露係数ハンドブック(人体関連/呼吸率)」より)
・平均睡眠時間:7.7時間
(OECD Time Use Database(日本:総務省「社会生活基本調査」ベース)
“睡眠関連市場”でのさらなる新たなポジション形成に寄与するとともに、1,044名の支援者を獲得し、 目標金額を大きく上回る成果を達成
クラウドファンディングで1,044名の支援者を獲得し、目標金額を大きく上回る結果に
こうして、“寝室専用空気清浄機”として打ち出されることとなった「寝呼吸」は、2026年2月27日から4月19日までの52日間にわたってクラウドファンディングを実施。 その結果、1,044名の支援者を獲得し、目標金額を大きく上回る結果となりました。
空気清浄機市場ではなく、睡眠に特化した製品として訴求することで、新たに“睡眠関連市場”でのブランドポジション形成に寄与しました。

マーケティングコミュニケーション部の視点:市場の捉え方を変え、新たな需要・市場を生み出すマーケティング支援
本事例は、市場を丁寧に読み解き、クライアント様の商材がより価値を発揮できる新たなフィールドを見出したうえで、「睡眠の質向上」という社会課題に向き合い、事業と社会の接点を探った、MC領域らしいプロジェクトです。製品の価値を“睡眠の質を支える”という新たな文脈で捉え直し、「寝呼吸」という名称に落とし込むことで、ブランドの成長と生活者の共感を両立する最適解を形にしました。
MC部では、今後も事業やブランドと社会の接点を丁寧に見つめながら、商品・サービスの新たな可能性を引き出し、需要創出に繋げるマーケティングコミュニケーション支援を行ってまいります。
Q1. オズマピーアールがマーケティング支援を行ったSANKA「寝呼吸」は販売目標に対してどのような成果を出しましたか?
A1. SANKA「寝呼吸」は、2026年2月27日から4月19日までの52日間にわたってクラウドファンディングを実施し、1,044名の支援者を獲得しました。支援総額は目標金額を大きく上回る結果となりました。
Q2. オズマピーアールはSANKA「寝呼吸」でどのようなマーケティング支援を行いましたか?
A2. オズマピーアールは、SANKAの空気清浄機が持つ静音性や吸引構造と、睡眠関連市場や寝室環境に関するファクトを掛け合わせ、製品を“睡眠の質を支える製品”として再定義しました。その価値を伝えるコンセプト設計と「寝呼吸」のネーミング開発まで、一貫して支援しました。
Q3. SANKA「寝呼吸」はどのような空気清浄機ですか?
A3. SANKA「寝呼吸」は、オズマピーアールのマーケティング支援の元、従来の「空気をきれいにする家電」ではなく、“睡眠の質を支える製品”として価値を再定義した空気清浄機です。オズマピーアールは、コンセプト設計やネーミング開発を一貫して支援しました。
Q4. オズマピーアールのマーケティング支援の特長は何ですか?
A4. オズマピーアールのマーケティング支援の特長は、ブランドの課題を市場や社会との関係から問い直し、ブランドの成長と社会の共感を両立する価値を設計する点です。SANKA「寝呼吸」では、空気清浄機の製品特長を睡眠環境という文脈と結びつけ、新たな市場でのポジション形成に寄与しました。
Q5. オズマピーアールのマーケティングコミュニケーション部は、どのように企業のマーケティング活動に貢献しますか?
A5. オズマピーアールのマーケティングコミュニケーション部は、市場や生活者の行動を分析し、商品・サービスがより価値を発揮できる市場や文脈を設計することで、新たな需要につながるマーケティング活動を支援します。