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PR会社発「統合型パブリックアフェアーズ」とは(後編)

日本でパブリックアフェアーズというと、一般にはロビイングや陳情が想起され、そのためのスキルも、政治家や官僚などのポリシーメーカーと特別なつながりをもつことや、法令に精通した専門家といったイメージが強いかもしれません。

しかし、パブリックアフェアーズにおいてもう一つ重要なポイントは、ポリシーメーカーに働きかけるのと同時に、企業とポリシーメーカーを取り巻くステークホルダーと連携してエンドースメント(承認・推奨)を獲得し、そのルールメイキングの必然性を社会的に醸成していくフェーズにもあります。

ステークホルダーを繋ぐ「連携力」や、社会課題を見据えた「世論形成力」を活かしたオズマの「統合型パブリックアフェアーズ」とは? オズマピーアールのパブリックアフェアーズ部門を統括する井上優介が前編に引き続きひもといていきます。

オズマピーアールの提唱する統合型PAとは

オズマピーアールの提唱する「統合型パブリックアフェアーズ」とは以下の通りです。​

①法律と世論の「統合」:狭義のルール(法律)はポリシーメーカーが作るものですが、生活者による「世論」や「社会規範」も事実上のルールを形成しています。オズマピーアールの持つ「世論形成力」で「法律」と「世論」を統合したパブリックアフェアーズが可能になります。

②ステークホルダーの「統合」:ポリシーメーカー(政治家・官僚)だけでない、メディアだけでもない、企業を取り巻くステークホルダーとマルチに対話していく必要があります。オズマピーアールの持つ「連携力」でマルチステークホルダーでのコミュニケーションが可能になります。

③大義の「統合」:ポリシーメーカーをはじめとするステークホルダーを巻き込むために必要になるのはステークホルダーとの共通言語である「社会課題解決」であり「大義名分」です。オズマピーアールの持つ「イシュー設定力」で企業の抱える課題と、ステークホルダーが関心を持つ社会課題を橋渡しすることが可能です。

そして、この「統合型パブリックアフェアーズ」を実践するために必要なスキルが、PR会社ならではの「キャンぺーナー」スキルと、「プロジェクトマネジメントマネジャー」スキルになるのです。

多面的なスキルを統合してパブリックアフェアーズを実行「ルール形成」の手前で、関係づくりの棚卸しをすることもパブリックアフェアーズである

パブリックアフェアーズを実践するには、多面的なスキルが求められます。どの規制をなくせばビジネス効果をもたらすのか計測する戦略系コンサルファームのような「ストラテジスト」スキル、法令に詳しい「リーガルエンジニア」スキル、政治家や官僚と特別なつながりを保つ「ネットワーカー」スキルに加え、多様な関係者をつなげ、世論を動かす「キャンぺーナー」スキルが挙げられます。

オズマピーアールはPR会社として、メディアリレーションだけでなく、手法にとらわれない企画力、多様なセクターをつなげる連携力、世の潮流をつかんで社会課題を設定する世論形成力といった「キャンぺーナー」スキルに土台を置きつつ、ストラテジストやリーガルエンジニア、ネットワーカーと提携してワンストップでパブリックアフェアーズのサポートを行います。プロジェクトマネージャーとして、さまざまなスキルを統合し、成功へと導くのも私たちの役目です。

企業の方とお話していると、誰もが今すぐルール形成に取り組みたいというわけでもありません。「うちは別に法律を変えないといけないような事業はやっていないんです」とおっしゃる方のほうが多いくらいです。

しかし、さらに話を深めていくと、いわゆる狭義のルール形成の手前のところで、事業の成長や今後の方向性を検討するにあたってステークホルダーが何を考えているのか知りたい、あるいはステークホルダーとの関係構築に改めて取り組みたいというニーズを潜在的に抱えていることは少なくありません。まずはそこから始めてみよう、というところからでも、ぜひ私たちにお声がけください。

井上優介
パブリック・アフェアーズチーム

国際NGOにて、アドボカシー活動のプロボノ経験あり。メディアの編集委員・編集長クラスに加え、NGPOといったソーシャルセクターや政治家・官僚といったポリシーセクターに広くネットワークを持ち、パブリックアフェアーズ、アドボカシーが専門分野。社会課題と企業・団体の課題を掛け合わせた「ルール形成戦略」キャンペーンの立案・実施を得意とする。観光、製薬、ITなど幅広い分野の公共政策キャンペーンでプロジェクトリーダーを務める。

◇ 多摩大学ルール形成戦略研究所客員研究員

◇ 経済安全保障コーディネーター

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