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  • 株式会社にしの ほか

話題になる商品開発から店舗集客まで手掛けたPR事例

データ分析で、商材そのものの開発と店舗の“行列”を科学!

新店舗オープンには行列が欠かせません。行列が行列を呼び、その行列が画となることでメディア露出をする、そしてそれを見た人が訪れる、という好循環をつくることができるからです。今回は店舗の話題化・行列化だけでなく、PRのプロとしての視点を持ちつつ商品開発からコミットした2つの事例をご紹介します。

事例1

多角的な分析をもとにした戦略で、新店舗オープンPRで行列を創出

商材となったスイーツは若い女性を中心に人気を集めていることもあり、話題になる可能性は大いにありました。しかし、その一方で競合が多いため苦戦を強いられることも予想されました。そこで私たちは、ソーシャルリスニングをベースとした、多角的な分析を通じて行列までの戦略設計を行いました。

課題

  • 人気商材のため競合が多い

アプローチ戦略のポイント

  1. ターゲットを明確にし、SNSで流行商品を把握
  2. データ分析と専門家の掛け合わせで商品開発を実践
  3. 情報拡散の構想を練り、戦略的に露出メディアを選定

アプローチ戦略

[ポイント1]ターゲットを明確にし、SNSで流行商品を把握

まずはターゲットの明確化です。商材に紐づくターゲットとして都内在住の女子高・大生や30代主婦、さらに出店計画地に足を運び、どんな層が多く、どういった流れで人が動いているのかリサーチすることで、よりリアルなターゲットを把握することができます。また、そのターゲットは、主に何を情報源としているのかを洗い出すのと同時に、Instagram、TwitterなどのSNSでどんな商品が流行しているのか把握することも大切です。

Instagramでは昨今、味覚や食感などの「モノ」自体を表現するワードよりも、「楽しい」「かわいい」など見た目や印象・行動といった「コト」で語られることの方が主流であることが、分析から判明しています。

商材となるスイーツジャンルの投稿数とリーチ数

[ポイント2]データ分析と専門家の掛け合わせで商品開発を実践

また、国内外の食のトレンドに精通したフードコーディネーターをアサインし、飲食業界のトレンドをヒアリングすることで、よりターゲットが興味をもつ商材に寄せることも行いました。SNSのデータ分析とフードコーディネーターのヒアリングのもと、当時流行していたフレーズをメニューに入れるなど、ネーミングの変更を行いました。

[ポイント3]情報拡散の構想を練り、戦略的に露出メディアを選定

PR業界では、「行列を見ることで、行列ができる」という考え方が主流でした。テレビのニュースで行列ができていることを受けて、「行ってみよう」という関心を引き出すことができるからです。しかし今では、とりわけ今回のようなスイーツの場合、ターゲットとなる都内在住の女子高・大生や30代主婦は、SNSを主な情報源にしているうえ、層によってタッチポイントメディア(親和性の高い媒体)が異なります。そこで、テレビでの露出だけでなく、ターゲットへ確実に情報を伝達するための戦略的なメディア選定と発信が求められます。

例えば、データ分析からターゲット・商材との親和性が高くSNSでの拡散力が高い媒体として「FASHION PRESS」に取り上げてもらうことを1つの指標とし、「FASHION PRESS」を起点に情報拡散の構想を設計しました。

成果

Twitterでの話題化から1時間待ちの行列を創出

初日に来店したお客様へお伺いしたところ、「Twitterで知って来店した」人が75%。その他のSNSやWebメディアも含めると、Webからの情報をもとに来店いただいた方が実に9割近くにのぼることがわかりました。

さらに、実際に来店したお客様は、今度は商品画像をInstagramにアップ。次第にInstagram経由で来店するお客様が増えていき、その話題ぶりをテレビが報道。さらに行列ができるという好循環を生み出しました。

事例2

スムージー開発でWebでの話題化を創出

ヘルシーファストフードをコンセプトとするスムージー専門店「フィコ&ポムム」を運営する(株)にしの様で実践した商品開発の事例で、春のシーズナル商品のWebでの話題化を目的としたPRです。本案件でも、ターゲットが求める商品をSNS分析から開発することでWebでの話題化を図りました。

アプローチ戦略のポイント

  1. データ分析で導かれた「スムージーが飲まれる理由」は季節ごとに異なる
  2. PR分析の結果、流行を先どりして商品化へ
  3. ポスターのクリエイティブもコンセプトに沿って

アプローチ戦略

[ポイント1]データ分析で導かれた「スムージーが飲まれる理由」は季節ごとに異なる

まず、テキストマイニングを実施し、商材となるスムージーがSNSでどんな言葉と一緒に語られているのか分析します。それによって、季節によってスムージーの受け取り方が異なることが判明したので、後の商品開発の際、スムージーの種類やキーワードの設定に役立てました。

 例えば、夏はフルーツの種類が豊富なスムージーがつぶやかれる傾向にあり、デザート感覚で食されています。その一方で冬は、健康志向に伴う機能性を重視。冷えやむくみなどを予防するために“摂られている”ことや、ジンジャーなど冬に話題となるワードもランキング上位に見受けられるというような要素です。

[ポイント2]PR分析の結果、流行を先どりして商品化へ

当時、スムージーの海外トレンドは「ベジラテ」でした。野菜や果実をふんだんに使っていることは一般的なスムージーと同じですが、「ラテ」でありつつコーヒーは使用せず、牛乳のかわりにアーモンドミルクやココナッツミルクなどの植物性ミルクを使用しています。日本での認知度はまだ低く「ベジラテ」のメディア露出量はわずかでした。しかしながら「フィコ&ポムム」のコンセプトとも合致しており、ベジラテのパイオニア的存在になることでWebでの話題化を図りました。

結果、この「ベジラテ」と、分析から導き出した昨今のトレンドであるピンクスムージーをもとにした「さくらスムージー」を商品化しました。商品化するにあたり、クライアントのコンセプトやフードコーディネーターの意見を取り入れるだけでなく、メディア視点にたった商品化もWebでの話題化では大切です。 例えば、Instagramにアップしたくなるような3種異なるカラーリングでの商品展開や、「ベジラテ」をラテのように2層構造にすることで商品を写真映えさせることを意識しました。

春のシーズナブル商品として採用いただいた「さくらスムージー」

[ポイント3]ポスターのクリエイティブもコンセプトに沿って

さらに、商品開発のみならず、ポスターのデザインのクリエイティブも一貫して行いました。フードコーディネーターに加えてカメラマン、デザイナーをアサインし、コンセプトに沿ったクリエイティブを統合的に仕上げました。

クリエイティブに携わらせていただいたポスター

成果

ラグジュアリー媒体への露出を獲得! Webでの話題化にも成功

「VOGUE JAPAN」や「フィガロジャポン」などラグジュアリーな媒体での露出に成功しました。また、事前試食会を開催しメディアだけでなく、Instagramの分析から導いた商材とマッチするユーザーを無料で招待し、商品を発信してもらうことで、SNSでも確実に情報を露出させることで、Webでの話題化を後押しすることができました。

まとめ

費用と時間を要する《消費者調査型》商品開発に代わり得る手法

企業活動の最終的なゴールのひとつは、売上の向上に他なりません。飲食の場合、その手前のゴールとして「おいしいと思っていただく」「リピートしてもらう」といった要素があり、さらにその手前に中間ゴールとして「話題になる」という要素があると位置付けています。

消費者調査を繰り返すことで着実に商品開発を行う手法がまだまだ一般的ですが、費用がかかるうえ時間を要する分、トレンドが過ぎ去り、プロジェクト初期に実施した調査や分析との乖離(かいり)が生まれることで「話題にならない」リスクもあります。

今回のようにデータ分析からあぶりだしたターゲットユーザーのトレンドを、商品開発からその先のフードのスタイリングや、広告クリエイティブにダイレクトに生かし、トンマナが一貫したPRができたことが、SNSでの話題作りの成功のひとつの要因になったと考えています。 素早くトレンドを察知し、迅速に商品としてアウトプットできることも、この座組みの大きな強みです。

「消費者調査型」の商品開発よりもこの手法に親和性の高い商品カテゴリーを見極めながら、今後も改善を繰り返し、奥行きのあるデータドリブンPRを実践していきます。

プロジェクトメンバー

岩上 和樹
今回ご紹介をした案件では、緻密な情報分析から見えた“タネ“に、フードのプロ、そして私どもの知見を掛け合わせることで、メディアを通じて最適なタイミングで、訴求したいメッセージをしっかりと届け、話題化につなげることができました。今後もこれらの知見を活かしながら、クライアントのサービスや商品の一時事的な盛り上がりに留まらない“永続的なファン化“につなげられるよう、取り組んでまいります。

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