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兵庫県豊岡市のコミュニティ共創型プログラム事例

内側からはじめる・発信する移住促進。移住者が3倍に

当社のメニューのひとつである「コミュニティ共創型プログラム」。このプログラムが生まれた背景の一つに兵庫県豊岡市移住促進事業のお手伝いをしたことがあげられます。PRアワードグランプリ2018のブロンズを受賞させていただいた本案件をご紹介いたします。

課題と戦略

「いいとこどり」の移住情報ではなく、市民が情報発信の主役・源に

兵庫県豊岡市では高校卒業後の進学・就職による若い世代の人口流出が激しく、全国の自治体と同様に、若い世代の移住者を増やしたい想いが強くありました。全国で行われている移住者対策は対外(市外)向けのコミュニケーション促進が王道のなか、あえて豊岡市は市内向けのコミュニケーションからスタートした案件でした。

移住検討者がもとめる情報は、市民の日常

なぜ市内からなのか――それは全国の移住情報における問題点が関係しています。日本全国でとにかく移住情報は多く発信されていますが、そのほとんどが、移住や生活に関する補助金や助成金、教育機関・病院等のインフラ情報、もしくは自然や史跡・祭りなど観光資源情報と移住成功体験談といった「いいとこどり」ばかりです。自治体移住担当者にとっては移住が「ゴール(目的)」になりがちで、移住検討者にとって移住=新しい暮らしの「スタート」であることとのギャップがおきており、検討者側の情報ニーズに応えきれず、地域間の差別化もできていない現状があります。

また自治体のWebサイトに多くある移住体験談は、移住検討者にとっては、あくまで個人(n=1)の成功談であり、自らの生活条件や価値観と合致しないと判断がつきにくい。つまり、一住民が日常生活をどのような当たり前の中で暮らしているのかといった生の情報が不足しているという問題がありました。

 だからこそ市民の日常が、移住検討者にとっては欲しい情報であることに着目し、豊岡市では日々その地域で暮らしているステークホルダーである市民を巻き込み、共創し、市民を情報発信の主役・源とするコミュニティ共創型プログラムを組み、市民とのコミュニケーションからスタートさせていったのでした。

課題

  • 若い世代の移住者を増やしたい
  • 自治体の移住情報は「いいとこどり」ばかり
  • 移住検討者が必要としている日常生活の生の情報が不足

アプローチ戦略

  • コミュニティを開発し共創。市オウンドメディア『飛んでるローカル豊岡』を始動

アプローチ戦略

アプローチ戦略 コミュニティを開発し共創。市オウンドメディア『飛んでるローカル豊岡』を始動

市民の想いや現状をヒアリングし、協働関係を築く

まず始めたことは、市民の想いや現状を聞くヒアリングツアー、われわれのような外部専門家と市が市民と行うワークショップや説明会など、市と市民が依頼者⇔協力者関係ではなく、同じ目線で移住誘致に取り組む協働関係となる座組みと意識を地域エディットブランディングチームで1年かけて作り上げていきました。

市民が等身大の姿を記事化して発信

つぎに市民が情報を定期的・継続的に発掘・記事化できるプラットフォーム(ウェブサイト)を用意。模擬取材やライティング講座等の編集ワークショップを月1回ペースで実施していきました。

そして、市民が自分たちの暮らしを定点で切り取った等身大の姿の発信をベースとして決め、市民だからこそ・市民にしか書けない記事を配信し続けられる仕組みを導入。当たり前の暮らしなど、「ニュースと認識されていない情報」を市民が記事化し、集められていくオウンドメディアこそが価値があると伝え続けながら、記事を読み物となるレベルで執筆できるスキルの向上をサポートして、記事の本数と更新頻度を確保していきました。

成果

移住検討者のニーズをとらえ、移住者数が3倍に増加

その結果、多様な「暮らし」情報の「量」「継続性」「アーカイブ性」を保持・集積することで、移住検討者のニーズにはまり、移住相談数・移住者数が着実に増えていきました。また、マスメディアには普遍性のある「暮らし」情報の宝庫と捉えられ、取材などの問い合わせが来るようになりました。本サイトは反響が反響を呼ぶとともに、ニュース取材・報道を通じても、直接読者以外にも情報がリーチしていきました。

そして、2015年にはじまったこのプロジェクトは豊岡市の移住者数を当時の3倍にまで増やすという結果につながりました。また移住者が増加しただけでなく、オウンドメディアを通じて市民が自分たちの「暮らし」の価値に気づき、シビックプライド(都市に対する誇りや愛着)醸成にも大きく貢献しました。いまでは編集部も30名を超え、記事本数も100本を超えます。そして豊岡市のウェブサイトの考え方は、どの自治体でもインフラ環境や地理的条件に左右されず取り入れることが可能で、他自治体の導入も始まっています。(2018年10月現在)

まとめ

コミュニティ共創はコミュニケーションのベースになる

この事例から見えることは、課題を明確にし、解決に向けてステークホルダーとともに共創し、企業・団体のステークホルダーの方々のなかに協力者をつくる、つまり“身内”化していくことで、コミュニケーションの質を高め、共感・共有されやすいものとして作り上げられることと言えます。

豊岡市の事例のウェブサイトづくりはあくまで手段です。手段は、イベントや店舗プロデュースや商品開発など、ありとあらゆる形が可能で、何を選ぶかは課題を解決できるかどうかで考えればいい。大切なことはコミュニティを開発し、共創し、生活者の共感を生みながら長く続くコミュニケーションを実現していくことです。このプログラムを通じて、豊岡市はそんな持続性あるコミュニケーションのベース作りができたと言えます。

生活者の共感なくしてはコミュニケーションが難しい世の中である現在、自治体の皆様だけでなく、企業の皆様もそのベースづくりをご一緒にしてみるのはいかがでしょうか? オズマピーアールは今後も時代に合わせたPRの手法を実践してまいります。

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