- 厚生労働省「上手な医療のかかり方アワード」
- SABRE Awards Asia-Pacific 2024
- 横浜市医療局
横浜市「医療マンガ大賞」広報プロジェクト
マンガで難しい医療の話題を“自分ゴト化”する横浜市民の医療への関心喚起施策
横浜市医療局は、難解で敬遠されがちな医療情報を、マンガという親しみやすいメディアを活用して発信する「医療マンガ大賞」を5年間にわたり展開しました。オズマピーアールは、この施策のプランニングから立上げ、実行・運営の全てを継続して行いました。本施策では、患者・家族・医療従事者など異なる立場の視点をテーマにしたエピソードをもとに、全国からSNSを通じてマンガ作品を募集。審査には医師、マンガ家、編集者など多様な専門家を起用し、作品の質と信頼性を担保しました。さらに、5周年記念として「がん検診啓発ポスター部門」を新設し、市民投票を実施。横浜市役所や商業施設での展示、オンライン投票を組み合わせ、参加型の広報を展開。受賞作品は特設サイトやSNSで公開し、医療情報サイトや大手新聞社との共創タイアップも実施。マンガを入口に、正確な医療情報への導線を設けることで、啓発効果を最大化しました。



目的・課題
横浜市が抱えていた課題は、医療情報の「難しさ」と「距離感」です。行政がテキスト中心で発信する情報は、専門用語が多く、一般市民には理解しづらい上、関心を持たれにくいという問題がありました。特に、がん検診や脳卒中予防など、生活に直結する重要なテーマであっても、「自分には関係ない」と捉えられがちです。また、医療現場では患者と医療従事者の間に認識のギャップが存在し、コミュニケーション不足が医療の質に影響するケースもあります。こうした背景から、横浜市は「医療を自分ゴト化」し、行動変容につなげる新しい広報手法を模索。マンガという共感を生むコンテンツを活用し、視点の違いを可視化することで、医療への理解と関心を高めることを目的としました。


戦略
戦略の核は「共感を起点にした情報発信」です。まず、マンガという視読ハードルの低いメディアを選択し、医療テーマを「物語化」することで、感情に訴える設計を行いました。募集テーマは「自分らしい最期の迎え方」「脳卒中予防」「SNSと医療リテラシー」をはじめとする、急速な高齢化による医療需要の増大や医療資源不足といった、横浜市が直面する医療課題の中から市民の関心事に直結するものを設定。さらに、作品制作の原作となるエピソードを医療従事者監修で提供し、正確性を担保しました。広報面では、SNSや特設サイトに加え、商業施設や市役所での展示、オンライン投票を組み合わせ、市民参加型の仕掛けを導入。協力企業や大手メディアとの共創により、受賞作品を新聞や医療情報サイトで紹介し、話題性を拡大しました。こうした多層的な戦略により、マンガを入口に、正しい医療情報へのアクセスを促進しました。


成果
「医療マンガ大賞」は、単なるコンテストにとどまらず、医療啓発の新しいモデルとして成果を上げました。第5回では、マンガ部門に約50作品、ポスター部門にも多数の応募があり、市民投票には横浜市内10か所とオンラインで多くの参加を獲得。SNSでの話題化やメディア掲載により、医療情報の認知度が向上しました。特設サイトでは受賞作品の閲覧数が大幅に増加し、マンガから医療情報ページへの遷移率も高い結果を記録。審査員からは「医療への知見が深まるきっかけになった」との評価が寄せられ、行政広報の枠を超えた共感型コミュニケーションの成功事例となりました。これらの取り組みは、厚生労働省が主催する「上手な医療のかかり方アワード」において厚生労働省医政局長賞を受賞するなど自治体広報の優良事例として全国的に注目を集め、さらに SABRE Award Asia-PacificおよびPR Award Asiaの受賞を通じて、国際的にも高い評価を獲得しました。
<受賞歴>
厚生労働省「上手な医療のかかり方アワード」厚生労働省医政局長賞受賞
SABRE Awards Asia-Pacific 2024 Engaging Society Public Education (Covid-19)部門 Winner(最優秀賞)/
Non-Corporate Government Agencies部門 ファイナリスト。
PR Awards Asia-Pacific 2024 Post-Pandemic Recovery部門 シルバー受賞/Public Education部門 ブロンズ受賞。

