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不妊当事者の“声”で“新しいあたりまえ”を創る

「不妊治療の保険適用」実現に向けて、社会の見えない声を可視化

NPO法人Fineは、不妊治療を経験した当事者の声を社会に届ける活動を続けてきました。しかし、長年にわたり不妊治療は「一部の特殊な問題」とされ、当事者が声を上げにくい状況でした。この課題を解決するため、目に見えていない不妊当事者の声を顕在化する取り組みを推進。具体的には、当事者アンケートの設計・集計、課題を定量化した「不妊白書」の発行、メディア報道につなげるプレスリリースの配信、議員向け勉強会や要望書提出など、社会的議論を喚起する広報活動を展開しました。さらに、SNSやウェブを活用し、当事者のリアルな声を可視化するコンテンツを発信。結果として、2022年4月に不妊治療へ公的医療保険が適用され、当事者の経済的負担軽減に寄与する新しいあたりまえが実現しました。

目的・課題

不妊治療は日本で3組に1組が直面する課題でありながら、長らく「自費診療」であり、1回の体外受精に40~60万円もの費用がかかる状況でした。そのため、治療を諦めるカップルも少なくありません。さらに、当事者は「不妊」を語りづらく、社会的理解も乏しいため孤立しがちでした。Fineは「不妊は一部の特殊な問題ではない」という考えのもと、当事者の声を社会に届けることで、制度や職場環境の改善を目指しました。しかし、課題は

①声が届かない:当事者間で悩みを共有するだけでは社会は変わらない。
②理解不足:不妊治療の負担や現実が可視化されていないため、政策決定者や企業に危機感が伝わらない、

という二重構造にあり、この状況を打破するため、「声を集め、見える化し、届ける」戦略を地道に積み重ねました。

戦略

戦略の核は「当事者の声を社会課題として顕在化させる」ことでした。まず、Fineが持つ当事者ネットワークを活用し、1,000人超の声を集めるアンケートを実施。身体的・精神的・経済的負担を定量化し、「不妊白書」として発行しました。次に、メディアを通した課題提起を図るため、テレビや全国紙で報道されるようプレスリリースを発信。さらに、議員向け勉強会や要望書提出を通じて政策形成に働きかけました。SNSでは「不妊治療のリアル」を伝える投稿を継続し、共感を広げるコンテンツを制作。企業向けには「仕事と不妊治療の両立」ガイドラインを提言し、職場環境改善を促進しました。これらの施策を積み重ねた結果、社会的議論が活性化、政治における関心も高まり、保険適用という制度改革を後押しするムーブメントを生み出しました。

成果

本プロジェクトは、当事者の声を社会に届けることで、制度改革という大きな成果を実現しました。2022年4月、不妊治療への公的医療保険適用が決定し、経済的負担が大幅に軽減。さらに、Fineのアンケート結果や「不妊白書」は多数のテレビや新聞などで報道され、課題に対する社会的認知も飛躍的に向上しました。企業においても、休暇制度やフレキシブル勤務などの導入が進み、職場風土の改善に寄与。加えて、当事者の声を集めた発信は共感を呼び、Fineのコミュニティへの参加者も増加しました。この取り組みは、公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会「PRアワードグランプリ2021」でシルバーを受賞、国際PR協会(IPRA)ゴールデン・ワールド・アワードのパブリック・アフェアーズ部門では最優秀賞を受賞するなど、PRの力で社会課題を解決するモデルケースとして評価されています。

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