掌蹠膿疱症の認知向上へ、ラジオとCMで“痛みを分かち合う”場を創出
ヤンセンファーマ株式会社は、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)という難治性皮膚疾患の認知度向上を目的に「ぶんつうプロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトでは、コロナ禍で生活者の接触時間が増えていた「ラジオ」を活用した疾患啓発キャンペーンを企画・実施しました。
その一環として、人気お笑いコンビ「ナイツ」さんをパーソナリティに起用した特別番組『ナイツのぶんつうラジオ』(ニッポン放送+全国11局ネット)を全4回放送。番組内では、患者さんの声や専門医の解説を交えながら、まだ認知度の低い当疾患の特徴や生活への影響を分かりやすく紹介しました。
さらに、患者さんの日常を描いたラジオCMシリーズ「ぶんつうのおと~掌蹠膿疱症と私~」を制作・放送。エピソードは患者会と連携し、実際の体験をもとに構成することで、共感性と信頼性を高めました。これらの施策により、疾患啓発を“分かち合い”という前向きなテーマで生活者に届けることを実現しました



目的・課題
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に膿疱が繰り返し発生し、痛みや痒みを伴う慢性疾患です。日本国内の推定患者数は約13万6千人ですが、疾患認知度はわずか11.2%と低く、周囲の理解が得られにくい現状があります。症状は見た目にも影響し、患者は「視線が気になる」「日常動作が制限される」など、身体的・心理的負担を抱えています。
ヤンセンファーマは、こうした患者さんの孤立感を軽減し、疾患理解を広げることを課題として設定しました。特に、医療情報に触れる機会が少ない一般生活者に対し、疾患を正しく知ってもらうきっかけをつくることが重要でした。
加えて、企画実施時の2020年はコロナ禍で対面イベントが制限される中、患者や生活者が安心して参加できる非接触型のコミュニケーション手段が求められていました。そこで、共感を軸にしたストーリーテリングと、生活者に寄り添うメディア選定が課題解決の鍵となりました。
戦略
戦略の中心は「共感を起点に疾患理解を促進する」ことでした。疾患の症状や治療情報を一方的に伝えるのではなく、患者さんのリアルな声を社会に届けることで、生活者が“自分ごと”として受け止められる文脈を設計しました。
メディア選定では、コロナ禍で利用率が高まり、親和性のある「ラジオ」を起点に設定。人気芸人ナイツさんを起用し、疾患啓発を硬い医療情報ではなく、分かりやすく共感を交えたトークで届ける番組を制作しました。また、番組内では、専門医の解説を挿入し、正確性と信頼性を担保しました。
さらに、患者さんの日常を描いたラジオCMシリーズ「ぶんつうのおと」を展開。患者会と連携し、実体験をもとにしたストーリーを制作することで、生活者の感情に響くコンテンツを実現しました。これにより、疾患啓発を、痛みを「分かち合う」という前向きな取り組みテーマに昇華し、認知向上と態度変容を狙いました。オズマピーアールはこれらの文脈設計からメディア選定、患者会との連携まで、戦略の立案から企画実行までを一貫して担当しました。

成果
本プロジェクトは、疾患啓発の枠を超え、社会的共感を生むコミュニケーションとして高く評価されました。ラジオ番組とCMシリーズは、ニッポン放送を含む全国11局ネットで放送され、幅広い生活者にリーチ。特にラジオCM「ぶんつうのおと~掌蹠膿疱症と私~」は、第15回ニッポン放送CMグランプリ・シリーズ部門でグランプリを受賞し、メッセージ力と創造性が認められました。
また、患者会との協働により、疾患啓発コンテンツの信頼性が向上。患者会の当事者の皆様からも新しい疾患啓発の形として高い評価をいただき、SNSや関連サイトでの二次拡散も進み、疾患認知の向上にも寄与しました。結果として、「対話と共創」で疾患啓発を実現するモデルとなり、製薬企業のユニークな取り組みとして業界内外で注目を集めました。