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【開催レポート】 第3回SDGsコミュニケーションサロン 「今注目される持続可能な海洋経済(ブルーエコノミー)の実現 『サンゴ礁』減少危機から見る企業のリスクとチャンスとは」

「世の中に新しい『問い』をたてることで、未来をより良い方向に導く」というミッションのもと、企業・団体のコミュニケーション活動を支援するオズマピーアールグループが運営する「SDGsコミュニケーションサロン」。2021年8月5日、第3回目のセミナーはWWF ジャパン サンゴ礁保護研究センター長 小林俊介様、株式会社イノカ 代表取締役CEO 高倉葉太様のお二人をゲストに、また合同会社カルチャークリエイティブ 代表取締役 牛山翔太様をモデレーターにお迎えしオンラインにて開催しました。テーマは6月開催のG7サミットでも採択された「ブルーエコノミー」。 海洋環境に配慮した持続可能な経済の実現は、”海”に関連する企業はもちろん、島国である日本の企業にとってもきわめて重要なテーマとなります。

【PROFILE】

WWF ジャパン サンゴ礁保護研究センター長 小林俊介様

京都大学野生動物研究センター卒業(修士)。専門は野生哺乳類(特にカワウソ)の生態・行動学。2013年にWWFジャパン入局。2018年まで森林保全の担当として、インドネシア・マレーシアでのオランウータンやボルネオゾウ、スマトラサイなどの野生生物の保全や、持続可能な森林管理・パーム油の生産など持続可能な資源管理に関わる業務を担当。2018年よりWWFサンゴ礁保護研究センター長として、WWFジャパンの南西諸島での、サンゴ礁生態系や生物多様性の保全の統括を行う。

株式会社イノカ 代表取締役CEO 高倉葉太様

東京大学工学部を卒業後、落合陽一氏などを輩出した東京大学の大学院「暦本研」で機械学習を用いた楽器の練習支援の研究を行う。在学時代にはハードウェアの開発会社を設立し、様々なプロジェクトに携わる。2019年4月に「株式会社イノカ」を設立。「100年先も人と自然が共生する世界を創る」をビジョンに掲げ、生態系を再現する独自の「環境移送技術」を活用し、大企業と協同で環境の保全・教育・研究を行っている。

合同会社カルチャークリエイティブ 代表取締役 牛山翔太様

2020年に“社会課題をビジネスとクリエイティブで解決する” をテーマに、合同会社カルチャークリエイティブを創設。様々な企業の社会課題解決を取り入れたブランディング、コミュニケーションデザインを支援。東京大学と共同研究として、世界最大の学生ソーシャルビジネスコンテスト” HULT PRIZE” の参加に向けた研究授業なども手がけている。

海洋環境の25%の生物が生息し、約3億の人々にとって直接的な生活の場でもある「サンゴ礁」。小林様からは、そんなサンゴ礁生態系が果たす役割やサンゴ減少が引き起こす環境・社会への影響についてお話しいただき、環境の変化に敏感なサンゴを守る活動がいかに重要かつ喫緊の課題であるかについてご教示をいただきました。また、サンゴとサンゴ礁を守るためには多数の要素が絡み合った複数の課題にアプローチする必要があり、解決のためには気候変動の抑制に努めることはもちろん、農畜産業また観光や沿岸開発時における負荷低減を通じて、水質の保全を図る必要があることを整理いただきました。

続いて高倉様より、「都市部でのサンゴ礁生態系の再現」という株式会社イノカ独自の驚異的な技術についてご紹介いただき、「ビジネスをどう”自然を守るメリット“に繋げていくか」、また「どうすればSDGsの”先”を見出していけるか」についてプレゼンテーションいただきました。飲料メーカーとの実証実験や商業施設をハブにした子供たちへのアクティブラーニング活動、またモーリシャスでの自然保護活動などビビッドな実例をお話しいただき、「海洋大国として、日本はサンゴという生き物のポテンシャルをまだ活かしきれていない」と印象的な指摘をいただきました。

お二人のお話を受け牛山様をモデレーターに迎えたクロストークでは、サンゴ礁保全と企業の関わりを起点に、「環境問題はすべての企業が関係するために、逆に自分ごと化が難しい部分がある。海洋保全に関する企業の責任が高まるなか、実際にどんな企業活動がなされているのか。企業としてどう関わっていくべきなのか、またどのような連携があり得るのか」といった視点より小林様、高倉様とテーマを掘り下げていただきました。

クロストークでは小林様から海外のWWFが中心となって参画している国際的なプロジェクト「コーラル・リーフ・イニシアティブ」や、20年の長きにわたって活動中の住友生命の石垣島・白保における多角的な取り組みについてご紹介いただき、気候変動のサンゴ礁への影響に対する国際的な関心の高まりや具体的な地域での取り組みの重要性をご指摘いただきました。高倉様からは「あらゆる企業に、サンゴ礁が毀損されるままに任せれば、自社にどのような事業リスクが発生するのか気づいてほしい。サンゴ礁における生物多様性の保護に関しては、ぜひとも日本が世界をリード出来るよう、僕たちも尽力したい」など、それぞれ貴重なお話しをいただきました。

企業の“SDGsコミュニケーション”の在り方を共に考え、刺激しあい、発展しあう、様々な人・情報が交流するコミュニティ「SDGsコミュニケーションサロン」。次回は9/8(水)のオンライン開催を予定しております。広聴機能や発信力の強化、また外部との共創をお考えの際にはぜひご参加をいただければと思います。 

関連リンク

ピーアールコンビナートのサービス:SDGs Social Issue Finder

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