1. ホーム
  2. コラム
  3. 子どもから家族へ『逆・授業参観』「SDGs」をもっと身近なものへ -前編-

子どもから家族へ『逆・授業参観』「SDGs」をもっと身近なものへ -前編-

CSR活動を通して、多くの家族がSDGsを自分ごとにできる場を。

誰ひとり取り残されることなく、人類が安定して地球で暮らし続けることができるように、世界で起きるさまざまな問題を整理し、解決に向けて具体的な目標を策定した「SDGs(持続可能な開発目標)」。
2015年9月の国連サミットで採択され、国連加盟国が2016年から2030年の15年間で達成しようと合意したのが、17の目標です。
昨今では、街の中でも「SDGs」アイコンを見かけたり、クイズ番組で「SDGs」に関する問題が出題されたり、と目に触れる機会は多くなっていますが、まだまだ“自分ごと”としてとらえて生活の中で何かを実践している方は少ないのではないでしょうか?

オズマピーアールではCSRの一環として、生活者がSDGsを「実践して理解」するにはまだ難しい状況だというこの課題に対し、「生活の中でSDGs理解を深める」機会創出に取り組んでおり、2022年春には「子どもから親へSDGsを伝える、逆・授業参観」(以下、「逆・授業参観」)というワークショップを学童併設塾で行いました。
この「逆・授業参観」は、若年層のSDGs認知は学校教育でも触れることが多いことから年々拡大している中で、逆に親世代が知識不足になっているという課題に対して「子どもから親への授業」を通して、親子で知識をシェア。親世代のSDGs理解と、日常生活内でのSDGs貢献行動を促そうという活動です。
今回「逆・授業参観」の舞台に選ばれたのは、柏市立高柳小学校。東京都市大学の杉浦正吾教授(環境学)を特別講師に迎え、ここに通う小学5年生に向けてワークショップが開催されました。

今回のカリキュラムは

  • 【9月】 <子どもたちのSDGs理解を深めるインプット授業と、ワークショップを実施>
  • 【11月】 <そこで学んだ知識をもとに子どもが先生となり、保護者にプレゼンテーション。家で実践できそうなSDGsの取り組みを保護者と一緒に考える>
  • 【11月以降】 <親子でディスカッションをしながら、日常生活の中でSDGsを意識した行動につなげる>

という三段階に分けて実施しました。
まず9月に杉浦先生が子どもに向けて行うインプット授業とワークショップを、そして11月にその授業で学んだことをベースに子どもが保護者に向けてプレゼンテーションを行う「逆・授業参観」を実施。子どもも保護者もより「SDGs」を知るきっかけにと考えられたカリキュラムです。

SDGsは、意外と身近なところに?!

実は杉浦教授、この高柳小学校のご出身。今回取り組んだ子どもの大先輩にあたります。

さらに授業に入る前に杉浦教授が子どもへ今日の目標を説明。
「SDGsが生活とどんな繋がりがあるのか?を他人に言えるようにしよう!」
という共通のゴールが設定されました。

杉浦先生のインプット授業では、「SDGsとは何を目的としてできたものなのか?」という導入から、「具体的な17の目標」「17の目標を達成したらどうなるのか?」という具体例、さらには小学生の皆さんにも身近な事例を説明しながら、「暮らしの中でSDGsを実践するための考え方」などを中心に学びました。

杉浦先生からの「地球温暖化にはどんな影響がある?」との問いに「島国がしずむ」「二酸化炭素が増える」などの意見が。

そして、グループごとのワークショップでは、「いま学校、地域、家庭で困っていること/やりたいことと、SDGsをつないでみよう」という課題に挑戦します。

ワークシートとポストイットが配られて、グループワーク開始!

まずは「困っていること」「やりたいこと」それぞれのワークシートに、それぞれがポストイットに書いた具体的なアイデアを貼っていきます。この作業は、グループ内でもさまざまな意見が出て楽しそうでした。中にはワークシートをはみ出すほどの意見が出たグループもありました。

そしてそれぞれが書き出した「困っていること」「やりたいこと」がSDGsの何番と結びつくかを考えるのが、このワークショップのハイライト。一枚のポストイット(困っていること/やりたいことの一種類)に対して、この番号も、あの番号も結びつくぞ、とグループ内でディスカッションをする姿は、とても活発で賑やか。

例えば、やりたいことに「ゲーム」と書いている子どもは多く見受けられましたが、それをSDGsと結びつけるとしたら、何番になるのか?をグループ内で考えます。
今回とあるグループでは、「ゲームをやる」ことは「心の健康につながる」と考え、SDGsの「3」になるのでは?という意見が出ていました。
一方で、もう一つのグループでは同じ「ゲームをやる」でも、「9」の「産業と技術革新の基盤をつくろう」になるのでは?との意見があり、同じキーワードを書いても違う考え方ができる、無限大に答えが広がる面白さも体験できたようです。

グループワークをサポートしていた先生たちも、
「こんなに意見が出るなんて驚き!楽しそうに取り組めているのが一番ですね」
「コロナ禍でなかなかグループワークができなかったけれど、こういう機会はやはり大事だと思いました」
と、うれしそうに話してくださいました。

SDGsの何番につながるものが多かったかという統計をとって、9月のインプット授業&ワークショップは終了。

今後は学校の「情報」の授業の時間も活用しながらより理解を深めた上で、11月の「逆・授業参観」に向けて、各自がSDGsで取り組めそうな目標づくりをしていきます。

後編はこちら

同じカテゴリーのコラム

新着コラム

お問い合わせ

pagetop