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日本の“洋食”をテーマに 2025大阪・関西万博にて特別展示を実施

日本の食のクリエイティビティ を世界へ!大阪・関西万博における体験型での日本産食品ブランディングを実施

日本の食文化は世界的に注目を集めています。特に近年では、伝統的な和食だけにとどまらず、カレーライスやとんかつなどの“洋食”も大人気であり、これらは日本が誇る食文化です。

さらに、2024年の農林水産省の統計によれば、日本の農林水産物・食品の輸出額は過去最高を記録*¹し、日本の食文化が国際的に評価される機会が増えています。
*¹:2025年2月4日公表 農林水産省「農林水産物輸出入情報」より

このような状況の中、日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)では、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博) における「食と暮らしの未来ウィーク」の期間にて、日本の“洋食”に焦点を当て、外国人と日本人共に日本産食品等の奥深い魅力を知って理解を深め日本の洋食への喫食意向を高めていくことを目的とした展示を実施しました。今回、寿司やラーメンといった定番ではなく、あえて“洋食”をテーマに選んだのは、カレーライスやとんかつなど、日本独自の発展を遂げた洋食文化こそが、日本の食のクリエイティビティを象徴するものであり、万博という国際的な舞台で発信する価値があると考えたためです。

私たちは、展示の企画・運営事務局として事業に携わり、特別展示「世界にはばたけ!Tasty Japan!」を企画し、体験型での日本産食品のブランディングを行いました。
展示では、日本産食品等を活かした“洋食”の特長を紹介し、日本から世界へと日本の食文化の可能性を広げ、未来に繋いでいくことを目指して事業を手がけました。
そこで、本事例では、展示の企画・設計から来場者体験の工夫、メディア露出まで、総合的なPR施策を通じて日本産食品の魅力を認知・理解していただいた取り組みについて紹介します。

【戦略】

大阪・関西万博の来場者である外国人と日本人、それぞれに向けたアクションゴールを設定しました。外国人来場者には、ブース体験を通じて日本産食品の魅力を伝え、日本滞在中や自国帰国後の飲食及び購買活動につなげることを目指し、日本人来場者には、洋食の歴史や発展を通じて日本産食品の海外展開への理解を深めてもらい、外国人に対して日本産食品を後押しする役目を担ってもらう仕掛けとしました。

【PR施策 / 活動内容①】

外国人来場者を巻き込みやすい空間づくりブース体験の企画設計

本事業のメインターゲットである外国人来場者が、JFOODOブースで日本の洋食文化を体験し、自国に“美味しさを持ち帰ってもらう”ことができる展示を設計しました。
具体的には、①実物を模した食品サンプルのアイキャッチ設置による興味喚起→②パネルによる情報訴求→③映像による情緒的訴求と、展示構成に役割を持たせることで、ブース回遊にストーリーを設定しました。
その中でも特に、海外では”食品サンプル”が日本文化のユニークな象徴として注目されていることから、アイキャッチとして大胆に活用しました。ふすまをモチーフにした空間設計と融合させることで、来場者が視覚的にも「日本の洋食文化の奥深さ」を感じ取れる空間を創出しました。
さらに、展示パネルの情報は英語→日本語の順で記載することで、外国人来場者に向けた展示であることを視認的にも分かりやすく伝える工夫を行いました。

【PR施策 / 活動内容②】

試飲食を通じた来場者の理解促進

明治時代の洋食レストランをイメージしたブースにおいて、一口カレーライスやフルーツジュースの試飲食を提供しました。
整理券が出るほどの盛況のなか、ただ待つだけでなく、日本の食のクリエイティビティや洋食の歴史にふれていただきながら、提供時には商品の特長や味わいのポイントを丁寧に伝えることで、前を通り掛かる来場者にも商品の魅力を届け、興味を喚起しました。結果として、試飲食体験を通じて、日本産食品の美味しさや魅力を多くの来場者に認知・理解していただくことができました。

【PR施策 / 活動内容③】

ブース体験を旅人たちの共有記憶に!

来場者同士が国籍を超えて日本の食をテーマに交流できる仕掛けとして、「書き込み式ノート」を設置。
外国人には「忘れられない日本食」、日本人は「海外からの来訪者におすすめしたい日本食」について、自由に書き込んでもらい、国境を越えて互いの回答を読み合うという万博ならではの交流が生まれました。
ページをめくりながら、楽しく語り合っていただき、日本の食文化への関心と記憶を深める訴求を実施しました。
また、日本の洋食や日本産食品に関するクイズイベントも実施。
クイズのヒントをブース内の展示や装飾に散りばめることで、来場者の回遊を自然に促し、展示全体を楽しみながら学べるよう、各コンテンツを有機的に連動させました。
参加者や全問正解者には、ブースのテーマやメッセージを反映したポストカードや缶バッジをプレゼント。
手元に残るアイテムが、帰宅後も体験を思い出すきっかけとなり、展示の効果をより深く印象づけました。

【PR施策 / 活動内容④】

メディアアプローチによる情報波及の最大化

ブースでの体験価値を広く伝えるため、社内の関西の万博チームと連携し、国内外のメディアに向けたメディアリレーション活動を展開。
日本の洋食文化に精通する青木ゆり子氏を監修者として迎え、展示やクイズイベントの内容に専門性のある情報を盛り込んだほか、関西圏の大学や留学生ネットワークにも情報を発信するなど、多角的なアプローチを行いました。
さらに、メディアブリーフィングを通じて万博担当記者へ直接情報を届けたことで、海外メディアから指名での取材依頼が寄せられたほか、計11社のメディア取材を獲得。展示会場に来場できなかった層にも情報を波及させることができました。

【成果】

当日は想定よりも多くの来場者にお越しいただき、ブース来場者へのアンケート調査では、94%が日本食文化への関心が高まったと回答し、96%が展示で紹介された料理を食べたくなったとの回答を得られ、本施策が来場者の日本食文化に対する理解促進と、そこから自国・地域での消費拡大や周囲への広がりが期待できる結果となりました。

【まとめ】

日本産食品の魅力を伝えるには、体験とコミュニケーションを通じて、心に残るブランド体験を丁寧に設計することが鍵だと考えます。
今回は、万博という世界の文化が交わる場で、日本の食のクリエイティビティをどう訴求し、日本のブランドをどう発信するかを意識しながら、来場者にとっての一期一会の旅の記憶に残るシーンづくりを丁寧に行いました。

私たちオズマピーアールは今後も、海外消費者の行動と思考を起点に、人の心を動かす要素を武器にブランドデザインに挑戦し続けます。

関連サイト
日本産食品海外プロモーションセンター(JFOODO)
https://www.jetro.go.jp/jfoodo/

【制作パートナー】
ロウエンデザイン株式会社

【全体監修者】
株式会社イーフード 青木ゆり子

【試食プロデュース】
株式会社隅田屋商店 片山真一

お問い合わせ

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