- ミート・アンド・ライブストック・オーストラリア
大阪・関西万博を契機にしたオージー・ビーフ&ラムの認知・普及促進PR活動
Discover Aussie Beef & Lamb
2025年10月13日、大阪・関西万博は約半年にわたる会期を終え、多くの思い出と新たなつながりを残して閉幕しました。開催期間中、各国の個性豊かなパビリオンが話題を集める中、特に人気を博した「オーストラリアパビリオン」で展開したオージー・ビーフ&ラムのPR活動をご紹介します。
このPR活動では、単なるイベントの情報発信にとどまらないコミュニケーションゴールを設定し、オージー・ビーフとラムの特色を踏まえたそれぞれのストーリーを打ち出すことや、大阪ならではのユーモアを込めたコラボレーション施策にも挑戦しました。

© Australian Department of Foreign Affairs and Trade, World Expo 2025 Osaka
オージー・ビーフ&ラムとは
オージー・ビーフ&ラムの生産者団体「ミート・アンド・ライブストック・オーストラリア」(以下、MLA)は、オーストラリア全土の牛・羊・山羊の生産者約5万人が加盟する組織で、マーケティングや研究開発プログラムを通じて生産者を支援しています。

© MEAT & LIVESTOCK AUSTRALIA
オーストラリア産ビーフとラムは、
- 「高品質で安全、世界最高水準のトレーサビリティシステム」「二酸化炭素排出量削減に向けた持続可能な取り組み」
- 「豊かな自然環境での飼育によるアニマルウェルフェア」
- そして「大自然で育まれる風味豊かなおいしさ」
といった特徴を備えています。


© MEAT & LIVESTOCK AUSTRALIA
オーストラリアパビリオンのオフィシャルパートナーであるMLAは、オージー・ビーフとラムの品質やおいしさを体験してもらい、日本の生活者が外食や家庭料理などさまざまな食のシーンで選ぶきっかけをつくるため、2025年5月から9月にかけてライブクッキングデモンストレーションと無料試食イベントを開催しました。
オズマピーアールは、そのうち7月から9月のPR活動を担当し、万博会期後半の本イベントの盛り上がりを作り上げていくことを目指しました。


© Australian Department of Foreign Affairs and Trade, World Expo 2025 Osaka
イベントの情報発信にとどまらないコミュニケーションゴール設定
オズマピーアールは、イベントの情報発信にとどまらず、その先のゴールを「日本の生活者とのつながりを築き、オージー・ビーフ&ラムの好意的認知を獲得し、普及を促進すること」と設定しました。万博を、オージー・ビーフ&ラムを積極的に選び、食習慣に取り入れるきっかけにできないかと考えたのです。

その基盤の上で、オージー・ビーフとラムの特徴や、日本国内での認知度・浸透度の違いを考慮したコミュニケーション活動を展開しました。
~オージー・ビーフ編~ 大阪万博が開催された1970年からはじまった絆を、さらに深めていく。
オージー・ビーフと日本の関係は、55年前の1970年、大阪万博が開催された年に、冷蔵ビーフが神戸港に初めて輸入されたことから始まりました。それ以来、オージー・ビーフは日本の食文化に深く根付き、牛丼、しゃぶしゃぶ、焼肉、すき焼きなど、さまざまな料理で親しまれています。
また、あまり知られていませんが、オージー・ビーフは日本のハンバーガー製造において、最も多く使用されている牛肉でもあります。


© Australian Department of Foreign Affairs and Trade, World Expo 2025 Osaka
すでに日本の多くの生活者に親しまれ、浸透していることを踏まえ、本プロジェクトのオージー・ビーフ試食イベントにおけるメディアリレーションズ活動では、オージー・ビーフアンバサダー(MLA公認のオーストラリア産ビーフの魅力を発信するシェフや食の専門家)が万博会場で調理するステーキの“本能に訴える美味しさ”と、夏休みシーズンに入り活気づく万博の様子、そして“冷蔵オージー・ビーフの日本への輸入が大阪万博の年である1970年から始まった”というファクトをフックに、事前のイベント告知ニュースや当日の取材を獲得しました。
これにより、テレビ・お出かけ系WEBメディア・業界メディアなどを通じて、クリーンでグリーン、ヘルシーで安全なオージー・ビーフの魅力を広く発信しました。




© Australian Department of Foreign Affairs and Trade, World Expo 2025 Osaka
~オージー・ラム編~ 大阪万博が開催された1970年からはじまった絆を、さらに深めていく。
日本の食生活に浸透しているオージー・ビーフとは異なり、オージー・ラムには別のアプローチが必要だと考えました。
日本の消費者は、年間のラム肉消費量が平均約300グラムと非常に少なく、さらに過去に食べたラム肉の強い風味や匂いの印象から、敬遠する人も少なくありません。そこで、近年大幅に品質が向上し、おいしく食べやすくなったオージー・ラムの魅力をどう伝えるか、そして試食を通じて得られた来場者の声を、メディアを通じてどのように社会に広げていくかをテーマに、企画を進めました。
試食イベントへの誘致を目的としたメディアリレーションズ活動では、「ジンギスカン文化が根付く北海道をはじめとする北日本・東日本に比べ、西日本ではラム肉の購入経験が少ない」という事実に着目しました。
【主要都市別でラム肉を購入した消費者の割合】

出展:2025年MLAグローバル消費者調査
そこで、“西日本におけるラム肉普及を、万博という国際交流の場を通じて推進する”というストーリーを打ち出すことに。メディアの方々にはあえて西日本ではラムの消費が低いというファクトを提示しながらも、実際には食べてみるととても美味しいという来場者の声を拾っていただくことで、テレビ放映を含む多様なメディア露出を獲得しました。


© Australian Department of Foreign Affairs and Trade, World Expo 2025 Osaka
大阪の街を舞台に行ったシンボリックコラボアクション「金羊ラーメン」
西日本の生活者にラム肉のおいしさを知ってもらうため、さらなる一手として、万博会場を飛び出し「大阪の街」を舞台にしたシンボリックなアクションを実施しました。
大阪の老舗ラーメンブランド「金龍ラーメン」とコラボレーションし、「金羊(きんひつじ)ラーメンプロジェクト」を、万博会場で開催されたオーストラリア・ナショナルデーに合わせ、9月3日からスタート。金龍ラーメンでは、ラーメンを注文したお客様に期間・数量限定でラム肉の無料トッピングを提供しました。さらに、象徴的な龍の立体看板には羊の角をモチーフにした装飾を施し、「ひつじバージョン」へと大胆に変身させました。



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© KINRYU RAMEN
この意外性のあるコラボレーションは大きな話題を呼び、250件を超えるメディア露出を獲得しました。首都圏の電車内で放映される「トレインチャンネル」にも取り上げられたほか、金龍ラーメンのファンによるSNS投稿や拡散も広がり、オンライン上でも高い注目を集めました。
まとめ
これらのプロジェクトを通じて、万博会場や大阪・道頓堀の街を舞台に、楽しくリラックスした雰囲気の中でオージー・ビーフやオージー・ラムを実際に味わう様子や来場者の声を、メディアやSNSを通じて広く発信することができました。
MLAに寄せられた反響は非常に好評で、メディアやSNSでの認知・拡散が進むにつれて、 このイベントを目的に万博に訪れるお客様が増えたり、「自宅で調理できるラム肉はどこで買えるのか?」といった問い合わせにもつながっています。
弊社としても、万博閉幕でこのストーリーを終わらせることなく、次なる展開を見据えた取り組みを、企画していきたいと考えています。

© MEAT & LIVESTOCK AUSTRALIA
オージー・ビーフ&ラム公式サイト https://www.aussiebeef.jp/b2b/