事業成長をも左右する、インターナルコミュニケーション(社内広報)とは
『OZMA PRofessionals』は、PRのプロフェッショナルとしてあり続けるために、日々情熱をもって考え、実践を重ねるオズマピーアールの社員たちに焦点を当てた連載企画です。現場で培われた専門性や経験をもとに、PRの可能性をひも解いていきます。
1963年の創業以来、オズマピーアールは日本におけるPRの歩みとともに、時代ごとに変化する企業・団体と社会の関係性に向き合ってきました。その積み重ねの先にあるのが、社会に新しい「問い」を立て、新しい「あたりまえ」をつくっていく「社会デザイン発想®」。私たちのPR発想の根幹であり、オズマピーアールの提供価値です。
今回のテーマは「インターナルコミュニケーション」(社内広報)。これまで企業・団体のPR活動といえば、メディアや生活者に向けたアウターコミュニケーション(社外広報)が中心でした。一方で、従業員はブランドの最初の理解者であり、語り手であり、もっとも身近なステークホルダーでもあります。だからこそ、企業の価値や方向性を社内にどう伝え、どう共感と行動につなげていくか。インターナルコミュニケーションは、いまや事業成長を支える重要なテーマとなっています。
本記事では、異業種のインターナルコミュニケーションの3つの事例をもとに、実践例やポイントを紐解いていきます。
【この記事のポイント】
・なぜインターナルコミュニケーションが必要か。事業成長にも関わる重要なアクション。
・インターナルコミュニケーションとアウターコミュニケーションをうまくつなぎ、設計する視点。
・インターナルコミュニケーションを理解で終わらせない、行動変容の方法や社員の巻き込み方。

大学院でジャーナリズム専攻後、オズマピーアール入社。
マーケティングPRにおいて、大手家電メーカー、インターネット事業会社等で新製品・新サービスのPR・広報に従事。2016年よりコーポレートコミュニケーション領域において、コーポレートPRの戦略立案から戦術までワンストップで提供し、PR起点での企業・組織の課題解決に寄与する。企業・組織ブランディングのためのシンボリックアクションをソーシャルイシューと掛け合わせた業務も推進。
現在は、IT・金融・保険等を始めとした様々な業界、サステナビリティ領域における制作対応も含めたコミュニケーション、IPOといった企業の特別なオケージョンにおけるプランニングからエグゼキューションまで対応する。

広告会社にて、セールスプロモーション、イベント制作業務に従事。 営業、SPプランナー、イベントプランナーとしてクリエイティブ制作、イベント制作、キャンペーン制作等多岐に渡る数多くの案件に携わる。
オズマピーアール⼊社後、商業施設、日雑・食品メーカーの定常的な広報活動のコンサルティング、食品・飲料・⽇雑メーカーなどのマーケティングPR (ローンチ、リブランディング) 、コーポレートPRのプランニング~エグゼキューションまで、多種多様な企業の様々なコミュニケーション活動を担当。
現在は、TVCMをはじめとした広告も駆使した、PR視点での統合コミュニケーションの企画/制作進行に注力。 クライアント向けの広報セミナーの講師なども担当。

オズマピーアール入社後、東京本社にて商業施設や化粧品・日用品のPR、ホテルの新規開業PRなど生活者接点の近い領域でコミュニケーション実務を幅広く担当。2019年に関西支社異動後、大学・官公庁・財団法人をはじめとし、多様なステークホルダーとともに社会課題と向き合う中長期の共創プロジェクトに携わる。関係者の意図や前提を丁寧にすり合わせ、組織や事業が向き合うテーマと社会の接点を見立てて、伝えるべき価値やメッセージを整理・言語化。合意形成を含むプロセス設計を通じ、社内外を横断したPRの打ち手へ落とし込み、共感と行動につながる形で実装につなげている。
2025年より、広報チームと兼部。
インターナルコミュニケーションが事業成長を左右する理由
変化する働き方・人手不足の中、社員のエンゲージメントが組織運営の未来を左右する
伊郷:インターナルコミュニケーションとは、企業の中で経営層と従業員、あるいは従業員同士が双方向で情報を共有し、対話を重ねていく取り組みです。単に情報を伝えるだけでなく、相互理解を深めながら組織としての一体感を醸成していく役割を担います。
現在の社会環境を踏まえると、その重要性は一層高まっていると感じます。人手不足が続く中で、企業にはより少人数でも機動力の高い組織運営が求められています。加えて、AI活用の進展や、コロナ禍を契機としたリモートワーク・ハイブリッドワークの浸透により、働き方そのものも大きく変化しました。社員同士が顔を合わせる機会が減るなかで、組織への帰属意識や仕事へのモチベーションをいかに維持・向上させるかは、多くの企業に共通する課題となっています。
こうした中で、従業員の会社への愛着や信頼といったエンゲージメントも含め、「内側のつながり」をどう築くかは、事業成長にも直結する重要なテーマになっています。
鳥居:パブリックリレーションズは、メディアや生活者、取引先といった外向けのコミュニケーションにとどまらず、従業員やその家族も含め、あらゆるステークホルダーとの関係を構築していくものです。企業からはインターナルコミュニケーションのご相談をいただくことも多く、メディアプロモーションにおいても、必要に応じてインターナルの視点を取り入れるケースがあります。
川端:ここから3つのインターナルコミュニケーションの事例を紹介していきます。インターナルコミュニケーションは社員に向けた取り組みですが、アウターコミュニケーションと切り分けず、目的に応じて組み合わせて設計できます。社外発信の反響を社内に還元して行動変容につなげるケースもあれば、企画段階から社員を巻き込み、社内外に同時に効かせるケースもある——そんな“つなぎ方”の違いを、3つの現場で紹介します。
アウターコミュニケーションから社員の行動変容へ──成長・採用につながる好循環のつくりかた
社会に発信し評価を得ることで、社内の誇りが輝き出す
川端:まず私からは、対外向け発信の成果を従業員に還元し、動機づけや成長行動の促進、採用増といった波及効果につながった事例をご紹介します。起点はアウターコミュニケーションですが、インターナルコミュニケーションにもつながるよう設計しています。
クライアントはマンション管理の代行業務を行う企業・うぇるねす様です。全国3780名(2026年3月時点)の代務員を擁し、平均年齢は70歳、最高齢は93歳と、多くのシニア人材が活躍しています。もともとは企業のレピュテーション向上や採用広報を目的としたアウターコミュニケーションのご相談でしたが、うぇるねすの会長自身、シニア人材に対する社会のネガティブな先入観を払拭していきたいという強い思いをお持ちでした。そこで、これまでクローズドだった社内研修をメディアに公開し、人材育成への姿勢や、成長しながら働くシニアの姿を発信していくことにしました。

鳥居:新しいコンテンツをつくるというより、既存の取り組みを“資産”として捉え直し、発信していくアプローチですね。
川端:はい。研修に力を入れている点に着目し、それを価値として可視化していきました。
この取り組みでは多くの従業員の方に取材に協力いただきましたが、その体験自体が大きな変化を生みました。メディアに取り上げられることでうぇるねすで働くスタッフの方々の仕事への誇りが高まり、「これからも頑張ろう」「マンション管理に関わる資格取得にも挑戦したい」といった前向きな意欲につながったのです。
また、シニアスタッフが生き生きと働く姿や充実した研修の様子を発信したことで、記事や番組を見たシニア層からの応募が大きく増加しました。2年間で登録管理員は2,053名から3,780名に増加。特に女性は400名台から893名へと倍増し、「マンション管理員は男性」という固定観念の払拭にも寄与しました。受注件数も伸長し、事業と個人の双方が成長する好循環が生まれています。
“本人の言葉”を引き出すことが、いちばん強いストーリーになる
鳥居:従業員の皆さんが前向きに取材に協力してくださった点も印象的ですね。円滑に進めるために工夫したことはありますか。
川端:スタッフの皆さんは普段は現場で働かれている方なので、広報担当者のように話し慣れているわけではありません。台本を用意する方法もありますが、押しつけるのではなく、ご本人の言葉を引き出すことをメンバー一同重視しました。限られた時間の中でも丁寧にヒアリングを重ね、その人の背景にある思いまで掘り下げていく。取材中、記者に問われて言葉に詰まる場面では間に入ってサポートしながら、自然なストーリーとして伝えていくことを心がけました。
鳥居:PRはあくまでファクトベースでストーリーを紡いでいくものです。広告のように演出された“役”ではなく、本人の言葉だからこそ、説得力が生まれたのだと思います。
現場が使い慣れた場所に、コミュニケーションを組み込む
川端:こうした取り組みが好意的に受け止められた背景には、会長の関与も大きかったと思います。メディア露出内容をスタッフの方への連絡ツールで共有するなど、インターナルコミュニケーションにも積極的に取り組んでいただきました。
また、そのツールを活用してスタッフの方に向けアンケートを行い、その結果を調査リリースとして公開しています。日常的に使い慣れている環境の中で実施することで、負担なく参加していただける。こうした積み重ねが信頼関係を生み、経営層から現場まで巻き込んだ施策へと広がっていきました。
伊郷:普段使っているツールの中で施策を展開できるのは大きいですよね。特にシニア層が対象の場合、新しいツールを求めるのではなく、既存の環境に組み込むことで参加のハードルを下げられる。その点も非常に良い設計だと感じました。
鳥居:一つのメディア露出をきっかけに、社内の意識が変わったことも大きいですね。それが結果的に、インターナルコミュニケーションを推進する土壌にもなっている。私からご紹介する事例も、アウターコミュニケーションを起点にインターナルへと波及したケースです。

⇒うぇるねす様 事例はこちら
インナーの合意形成から始めるブランド発信 ──社員を巻き込むクリエイティブの力
TVCM制作に企画段階から従業員を巻き込む、アウター×インターナルコミュニケーションの設計
鳥居:私がお話しするのは、TVCM放映という対外認知獲得の取り組みにあたって、従業員の合意形成を図りながら進めるとともに、社員を巻き込んだクリエイティブ制作によって、社外だけでなく、社内ステークホルダーのエンゲージメントを高めていった事例です。
クライアントは総合建設会社の安藤ハザマ様でした。歴史の長い土木会社と建設会社が合併して約10年が経過したことを期に、認知拡大に向けたコミュニケーションのご相談をいただきました。多くのBtoB企業様の傾向として、広報・IR機能はあるものの、宣伝活動は積極的に行っていないことが少なくありません。しかし建設業界全体の人手不足を背景に、採用観点での認知向上が重要な課題となっていました。そこで、就活学生を含む、幅広い生活者への認知拡大を目的に、TVCMの実施をご提案しました。
伊郷:PR会社から広告制作を提案することに対して、社内の受け止めはいかがでしたか?
鳥居:まず前提、Paid(広告出稿によって露出を得る媒体)だけでなくEarned(第三者による報道・口コミなど自然発生的な露出)、Shared(SNSなどでユーザーと共有・拡散される媒体)、Owned Media(自社が保有・運営する媒体)それぞれでの情報発信が“何に影響を与えるのか?” を整理した上で、目的(認知を取りたい、就職意向を高めたい)に向けて最も効率的なコミュニケーションとしてPaid MediaであるTVCMの提案に至りました。その中で実は、社内からも広報部門に「TVCMをやってほしい」という声があり、これが最後の後押しになりました。一方で、社会を技術で裏から支えるという職人気質の価値観もあり、社内でハレーションが起きる懸念もありました。そこで、企画段階から従業員の皆さんを巻き込み、合意形成を図りながら進めていくことにしました。
社員の想いを、ファクトとして整理し、言葉に変える
鳥居:具体的には、各部門へのヒアリングを通じて「この会社の良さ」を社員の想いも含めて集め、ファクトとして整理したうえでステイトメントに落とし込みました。それをもとにタグラインを開発し、TVCM企画へと昇華させています。タグラインも複数案を提示し、全社員アンケートを経て経営層とともに決定しました。

伊郷:認知拡大が目的でありながら、そのプロセス自体がインターナルコミュニケーションにもなっていたわけですね。
鳥居:そうですね。完成したTVCMは社内外で好評で、「現場で『TVCM見たよ』と声をかけられた」「家族とも話題になった」といった反応もありました。第1弾・第2弾に続き、第3弾の制作もすぐにご要望をいただいたほどです。
“自分たちの関わりが形になった”という実感を設計する
鳥居:第3弾ではさらにインターナルを意識し、社員の皆さんとそのご家族に出演いただく企画にしました。想定以上に応募が集まり、結果的に選考を行うほどの反響がありました。当初は懸念していた「裏方に徹する文化」から考えると、TVCM施策を通じて組織がよりオープンになり、会社への愛着も高まる一助になったのではとのお言葉もいただきました。
川端:初期段階からインターナルコミュニケーションを意識していた点が重要ですね。新しい取り組みは、既存のカルチャーの中では推進がままならない場合もあります。社員の想いを丁寧に汲み取りながら合意形成を図るプロセスにおいて、外部の専門家がファシリテーションする意義は大きいと思います。
鳥居:社員を巻き込む手法としてはワークショップなどがありますが、通常業務に加えて負担もかかります。そのため、参加したことの成果が見えることが重要です。今回はTVCMというアウトプットがあったことで、「自分たちの関わりが形になった」と実感でき、誇りや愛着の向上につながりました。
常にクリエイティブに落とし込めるわけではありませんが、「自分たちが貢献した」と感じられる“関わりしろ”を設計することは、インターナルコミュニケーションにおいて重要だと考えています。
伊郷:こうして振り返ると、必ずしも最初からインナーとアウターが明確に分かれているわけではないですね。
鳥居:そうですね。アウターコミュニケーションのご相談であっても、社内の合意形成や土壌づくりが必要であればご提案します。課題の本質を見極めたうえで、インナーとアウターの両面からアプローチすることが、結果的に最適な解決につながると考えています。

事業を加速させるインターナルコミュニケーションの設計 ──強みの可視化と“巻き込み”の技術
伊郷:最後に私からは、先の2例とは異なり、事業の加速・成長を目的としたインターナルコミュニケーションについてご紹介します。
部門ごとの強みを理解で終わらせず、当事者意識と行動につなげる
伊郷:たとえばシンクタンクのように多様な機能や専門性を持つ組織では、各プロジェクトや個別の取り組みが目立ったり確立したりすることで、部門ごとの強みや役割が十分に言語化・共有されていないケースも少なくありません。そこで、自分たちが共通して持つ強みは何か、どのような価値を発揮しているのかを明確にし、「だからこそこの取り組みを行っている」というメッセージ構造を整理し発信していきます。
具体的には、インプットとアウトプットを組み合わせたサロン形式のプログラムを展開。理解の促進にとどまらず、当事者意識やモチベーションの醸成のためにワークショップも取り入れ、行動変容へとつなげていきます。こうした取り組みを通じて、各部門の強みを磨き上げ、事業成長に寄与していくことを目指します。
また、中期経営計画で掲げられた「社会課題を解決する事業づくり」といったテーマに対して、社内の納得感を高めていくケースもあります。重要性は理解されていても、現場レベルでは具体的な行動に落とし込みにくいことが多いためです。
そこで、各部門で進んでいる取り組みを取材・整理し、オウンドサイト等での発信を通して可視化します。他部門の動きや可能性を知ることで、「自分たちにもできることがあるのではないか」という気づきを促し、行動のきっかけをつくっていきます。
このような取り組みはインターナルを主目的としつつ、顧客や取引先、投資家にも共有できる形にすることがあります。営業拠点やスモールミーティングの場などで活用することで、企業としての姿勢を外部のステークホルダーに伝える役割も果たします。さらに、広告掲出なども組み合わせながら、継続的に機運を醸成していきます。
鳥居:いずれも実際のビジネスを前に進めるための施策であり、その中でインプットとアウトプットを組み合わせている点が共通していますね。
従来の広報は外部発信が中心でしたが、インターナルコミュニケーションを通じて事業成長を後押しする役割も担えるのではないかと感じています。直接的に売上につながるわけではなくても、社内の理解や意識を揃えることで、結果的に事業の推進力を高めることは十分に可能です。そういう意味では、広報という枠を超えて、事業や人事とも重なり合う領域に広がっている取り組みだといえます。
こうした施策を推進するうえで、伊郷さんが意識しているポイントは何でしょうか。
“巻き込みのための巻き込み”で、味方を増やしていく
伊郷:やはり重要なのは社内の巻き込みかたです。インターナル施策は全社に向けて展開することも多いですが、一度に全員を動かそうとするのではなく、まずは中心となる人材を立てて、その方たちを起点に広げていく進めかたを取ることがあります。
鳥居:“巻き込みのための巻き込み”ですね。
伊郷:まさにそうですね。担当者向けの研修を通じて、「皆さんが中心となって周囲に伝えていってほしい」と働きかけ、それぞれの部署でハブとなる役割を担ってもらいます。いわば“味方”を各所に増やしていくイメージです。
鳥居:まずは各部署に一人でもそうした存在がいると違いますよね。そこを起点に、網のように広がっていく。
伊郷:はい。ハブとなる人材を起点に徐々に広げていくことで、発信の質や意識を高めていく。このように段階的に巻き込みを設計することが重要だと考えています。

組織を動かす“北極星”とは ──インターナルコミュニケーションの本質
伊郷:ここまで、いくつかの事例を通して、インターナルコミュニケーションの手法や、私たちオズマがどのような支援ができるのかをお話ししてきました。ここからは少し視点を引いて、「インターナルコミュニケーションにおいて本当に大事なことは何か」、そしてその中でオズマとしてどのように貢献できるのかについて、改めてディスカッションできればと思います。
関係を築き、合意をつくる。PRの力は内側にも効いていく 。
鳥居:さきほどもお話ししましたが、インターナルコミュニケーションを機能させていくうえでは、前提として関係構築力や合意形成力が重要だと思っています。そのうえで、私たちはPRをベースに、クリエイティブの力を活用してアウトプットとして還元できる点も一つの特徴です。交通広告のようなオフラインも含めたタッチポイントを設計し、社内外を横断して接点をつくれるのは強みだと感じています。
また本質的には、インターナルコミュニケーションは事業に近い領域でありながら、人事的な側面も持っています。社員のエンゲージメントが高まり、発信に前向きになることで、一人ひとりが情報の媒介になっていく。そうした動きが、結果として事業への貢献につながっていくのではないでしょうか。
伊郷:そうですね。よく「近さと遠さ」という言い方をするのですが、事業への直接的な貢献と、少し距離のあるコミュニケーションのどちらを担っているのか、その位置づけを見極めることが重要だと考えています。そのうえで、社員の方々が単に業務をこなすだけでなく、プラスアルファの動きをしていける状態をつくること。それがインターナルコミュニケーションの役割だと思います。
川端:組織の観点でいうと、今は人や働き方が大きく変わっている中で、それぞれが違う方向を向いてしまうと、なかなか前に進めなくなってしまいます。だからこそ、みんなが同じ方向を見て進んでいくことが、組織として強くなるために必要だと感じます。
伊郷:そうですね。働くことの意味や志向は人それぞれで、多様性を尊重することは大前提です。ただ、企業の一員として働く時間においては、目指す方向に合意し、同じ景色を見ていくことが求められる。そのために対話を重ねていくことが大切だと思っています。
ばらばらな個を、同じ景色へ導く“北極星”をつくる
鳥居:「事業を動かすためのインターナルコミュニケーション」は、変化の大きいこの時代において、社員一人ひとりがばらばらの方向を向いてしまいがちなときに、「ここを見よう」という軸を示すものだと思います。いわば“北極星”のような存在ですね。組織として目指す方向は、経営陣だけでなく、従業員の合意形成を経て定めていく。その方向性を社員同士が媒介となって広げていく――そうした動きを後押しするのが、インターナルコミュニケーションの役割なのだと感じます。
伊郷:その北極星―共通のゴールに向かって、社員一人ひとりが自分なりの関わり方で動いていける状態をつくること。それが、私たちがインターナルコミュニケーションを通じて支援していることだと考えています。
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インターナルコミュニケーションは、社内に情報を行き渡らせるための“手段”ではなく、社員一人ひとりが組織の「媒介」となり、同じ方向へ動いていくための“推進力”です。だからこそ必要なのは、伝達で終わらせず、合意形成と巻き込みを設計し、行動につなげていくこと。
オズマピーアールは、社会に新しい「問い」を立て、新しい「あたりまえ」をつくる「社会デザイン発想®」のもと、インナーとアウターを横断しながら、その企業らしい“北極星”を言葉と体験に落とし込みます。
この連載『OZMA PRofessionals』では、そうした実践を支える社員たちの思考と実装から、これからのPRの可能性をひも解いていきます
