伴野 麻衣子
オズマヘルスケア本部 本部長
MAIKO
BANNO
2006年オズマピーアール入社以降、一貫してヘルスケア領域でのPR業務に携わっている。数多くの製薬会社、医療機器メーカー、医療関連学会、医療系業界団体、ヘルステックベンチャーなど、幅広く医療/ヘルスケア領域のクライアントを担当。ヘルスケアPRの戦略立案から実行までを手掛けている。
専門・活動テーマ
医療ヘルスケア、疾患啓発、コーポレート・コミュニケーション、コミュニティリレーション、リスククライシス、メディアトレーニング、インターナルコミュニケーション
― PRとは
すべてのステークホルダーにWINをもたらすStory maker
ヘルスケアチームでは、主に疾患啓発や企業広報に関してご相談をいただくことが多いのですが、医療業界では、発信する情報に関して多くの規制があるため、企業や組織が「伝えたいことがストレートに言えない」状況であることがほとんどです。そして、とにかく専門用語が多く“難しい”。
一方で、たとえばコミュニケーションしたい相手が患者さんの場合、患者さん側は(その患者さんが持つ)病気や治療法はもちろん、他の患者さんに関する情報や社会の理解など、多種多様の情報や社会理解を求めている。この“広く上手に伝えたい側”と“知りたい、求めたい側”のブリッジングに、パブリック・リレーションズのチカラはとても有効です。
一見、“伝えたい側”と“知りたい側”をつなぐことは簡単に捉えられるかもしれません。が、一般社会でもそうですが、それぞれが異なる背景、世界で生きており、事情や状況もさまざまで、情報伝達はそう簡単ではない。それに加え、ヘルスケアに関する情報は人の生命に関わることもあり、インターネット上には誤情報も多い。私たちヘルスケア領域に従事するPRパーソンが、正しい知識、情報をもって、コミュニケーション相手に適切な情報が届き、正しく理解してもらえるような伝え方、言葉の選び方、情報流通の設計、適切なコミュニケーション導線を引くことが重要になります。
パブリックリレーションズとは、コミュニケーションしたい相手の興味や関心を引き付け、心をどう動かし、どうやって次のアクションを起こしてもらうのかの道筋を指し示すこと、そしてその共感や理解の輪がどう広がっていくかを設計することだと思います。そしてそれを可能にするのは、各ステークホルダーのお立場や状況に思いを馳せ、社会の流れを読み、どういった明るい未来が実現できるのかを想像する。それがパブリックリレーションズ発想であり、その全体最適の設計がPRパーソンの腕の見せどころではないかと思います。
それぞれのニーズでつながったすべてのステークホルダーにWINをもたらすスキームがつくれたとき、このパブリックリレーションズ業務のやりがいと深みを心からかみしめています。
― 専門領域でのPRのポイント、努めていること
企業と患者さん、それぞれの環境や思いに最大限寄り添う
近年、ヘルスケア関連の企業様からのPR業務のご相談が急激に増えています。もちろんその背景には、科学の進歩や高齢化に伴ったヘルスケア市場に参入される企業様の増加もあるかと思いますが、PR業務においては、疾患啓発もコーポレート広報も考え方は同じです。“情報の受け手=コミュニケーションする相手のおかれている環境を最大限考え、決して気持ちを置き去りにしないこと”。そして、“伝えたくなる、役に立つ情報、ニュースをどう作れるか”を大事に考えています。
患者さん、医療従事者、国、地域、大学や研究機関など、ヘルスケア企業にとってのステークホルダーは非常に多岐にわたります。さまざまな法や規制に取り囲まれており、それぞれのお作法を踏まえたコミュニケーションの方法を求められる世界でもあることから、さまざまなステークホルダーと良好な関係性を築いていくパブリックリレーションズは今後もより一層ニーズは高まっていくものと考えれられます。
私たちのクライアントであるヘルスケア企業は、直接的であれ間接的であれ、人の健康、生命に貢献するミッションを達成すべく日々尽力されています。社会の風を読むことのできるプロフェッショナルとして、そんな企業と患者さんの置かれている環境や思いに最大限寄り添い、“企業”“患者さん”“世の中”三方良しの社会をつくることに貢献できればと思っています。
― 目指す未来・目標
時代や社会の風に合わせて七変化するPRパーソン
超高齢化に突入し、さまざまな人たちと共存し、相互理解が不可避な今、私たちは医療行為自体をご提供することはできませんが、人々の健康に関してコミュニケーションで解決できることはまだまだ多くあると考えています。ヘルスケア領域の情報は“小難しい” “退屈” “自分には関係ない”と捉えられることがほとんどだと思います。そのような状況を逆転の発想で勝機と捉え、自身としては、型や前例にとらわれることなく、時にはヘルスケア領域の人の心を動かす“共感PRパーソン”として、時には難しいことを分かりやすく伝える“翻訳パーソン”として、時には人の心に寄り添いニーズを読み解く“きっかけづくりPRパーソン”として、柔軟に時代やニーズを読み七変化していきたい。社会の風を読むということはそういう自分でい続けることではないかと思っています。
― 座右の銘・好きなフレーズ・格言
“無知の知”
学生時代に出合った言葉で、仕事だけではなく、自分の人生において大事に肝に銘じています。字のごとく、「自分が無知だということを自覚しなさい」という意味ですが、さまざまな方と関わり、関係性を構築していくこの仕事をするうえで、過信や固定概念、思い込みで人や物事を判断することはとても危険なことだと感じています。そしてまさに誤ったコミュニケーションは時に暴力性を持ち攻撃的にもなると思っています。おごり高ぶることなく、対峙(たいじ)するコミュニケーション相手を無意識のうちに傷つけることのないよう、常にフラットな目線で客観的な視点を持ち続けることを公私において忘れないようにと思っています。
PROFILE 経歴・プロフィール
異業種での勤務を経て、2006年オズマピーアールに入社。入社以降、一貫してヘルスケア領域でのPR業務に携わっている。これまで数多くの製薬会社、医療機器メーカー、医療関連学会、医療系業界団体、ヘルステックベンチャーなど、幅広く医療/ヘルスケア領域のクライアントを担当。これまで培った業界経験と知見、各ステークホルダーとのリレーションを活かし、ヘルスケアPRの戦略立案から実行までを手掛けている。
WORKS 活動実績・受賞歴
医療/ヘルスケア領域の企業、団体のヘルスケアコミュニケーションに特化した業務に15年以上従事。糖尿病や高血圧など世の中に広く知られている疾患から、患者数が少なく、まだあまり知られていないような希少疾患まで、これまで手掛けた啓発活動の疾患領域は100以上。コーポレート広報では、製薬会社、医療機器メーカーを中心に、大企業からベンチャー企業様まで幅広く、各クライアントの状況やその時の外部環境に応じたコミュニケーション活動をクライアントのパートナーとして遂行してきている。ヘルスケア領域のメディアトレーニングやリスク対応のディレクション経験も多く有している。
受賞歴
不妊当事者の声で新しいあたり前を創る「不妊治療の保険適用」実現に向けて
- 国際PR協会(IPRA)主催 「2022 ゴールデン・ワールド・アワーズ・フォー・エクセレンス(GWA)」最優秀賞受賞
- PRアワードグランプリ2021 シルバー受賞
「心臓病の子どもたちの“初めての運動会” ~Challenging Heart Day~」
- PRアワードグランプリ2016 シルバー受賞