井上 優介
コーポレートコンサルティング部 シニアPRディレクター/
パブリックアフェアーズチーム リーダー
YUSUKE
INOUE
パブリックアフェアーズやアドボカシーを専門とし、社会課題と企業課題を掛け合わせた「ルール形成戦略」に強みを持つ。 博報堂PROJECT_Vega「Creative PAコレクティブ」に所属し、「生活者ルール発想」に基づく新たなパブリックアフェアーズの形を提唱。
専門・活動テーマ
パブリックアフェアーズ(ルール形成コミュニケーション)、コーポレートコミュニケーション、イシューコミュニケーション、戦略的コミュニケーション、リスククライシス、官公庁・自治体、政治、観光・ツーリズム
― PRとは
社会との“公共関係(パブリックリレーションズ)”をつくる営み
中国では、パブリックリレーションズのことを「公共関係」と呼ぶそうです。PRとは単なる情報発信やアピールではなく、企業・行政・メディア・NGO、そして市民といった多様なステークホルダーのあいだにある認識のズレや断絶を可視化し、対話可能な関係へと再構築していく行為です。
この考えに至った背景には、医療分野でのパブリックアフェアーズ(PA)業務の経験があります。ある製品の市場アクセス拡大を目的としたプロジェクトでは、制度や科学的合理性だけでは社会は動かないことを痛感しました。国会議員、行政、医師、NGO、メディア、それぞれが異なる関心や価値観を持つなかで、「なぜそれが社会にとって必要なのか」を共通言語で語り直す必要があったのです。そこで重視したのが、事実やデータを起点にしながらも、「社会にどう受け止められるか」という関係性の設計でした。
PRとは、情報を届ける技術ではなく、社会との“公共関係(パブリックリレーションズ)”をつくる営みである──その確信は、こうした実務経験から得られたものです。
― 目指す未来・目標
パブリックアフェアーズ(PA / ルール形成コミュニケーション)が「当たり前」の戦略として根付くように
目指しているのは、PAが「特別な専門家だけの仕事」ではなく、企業や組織にとって当たり前の戦略として根付く未来です。社会課題が複雑化するなかで、制度や世論との関係性を無視して事業を進めることは、もはや現実的ではありません。
一方で、PAやガバメントリレーションズ(GR)は短期的な成果が見えにくく、評価されづらい分野でもあります。だからこそ、理論と実務の両面からPAを整理し、説明可能な形で社会に提示していきたいと考えています。
PR会社が持つ「ステークホルダーを巻き込み、社会を動かす力」を軸に、ルール形成の現場で信頼される存在になること。そしてPAを王道のビジネスとして確立すること。それが、私自身のキャリアの目標であり、PR業界全体への貢献だと思っています。
― 座右の銘・好きなフレーズ・格言
「理想と現実のギャップは、行動の起点になる」
仕事を始めた頃、思い描いていた仕事の理想と、実際に目の前で起きている現実とのあいだには、大きな隔たりがありました。そのとき感じた理想と現実のギャップは、歯がゆさや戸惑い、焦りを生みましたが、振り返ると自分が何を目指しているのかを明確にしてくれました。
ギャップは失望ではなく、行動のヒントだと思っています。そのときに感じた違和感が、勉強会に参加したり、人と会ったりといった、現状を変える行動につながりました。
理想と現実の差に直面したとき、そのままにせず、何が足りないのかを考えて動く。この姿勢は、キャリアだけでなく、PRにおける社会課題の捉え方にも通じ、今も仕事をする上で大切にしています。
PROFILE 経歴・プロフィール
観光、製薬、ITなど幅広い分野の公共政策キャンペーンでプロジェクトリーダーを務める。与野党両党首のトップコミュニケーションのコンサルティング実績含め、政治家に対するアドバイス実績多数。
早稲田大学商学部 招聘講師(2025年度)
多摩大学ルール形成戦略研究所客員研究員
慶應大学戦略フォーラムメンバー