岩垂 晋
リレーションズデザイン本部 副本部長/
リレーションズデザイン4部 部長
SHIN
IWATARE
日用品から飲食、スポーツ、IT関連企業、消費財、商業施設、企業広報まで、多数のBtoB、BtoCのPR戦略立案から実務サポートを担当。社内の専門領域メンバーと連携し、パブリシティにとらわれないPR起点のコミュニケーション施策をプロデュース。
専門・活動テーマ
統合コミュニケーション、マーケティングPR、戦略企業広報、日用品・消費財、スポーツ&ウェルネス、BtoB企業
― PRとは
“社会との接続点”を見つけ、伝わるコミュニケーションを実現する
PRという仕事にはじめて携わったときに、これは自分がいくら頑張っても、世の中に何も残すことができないこともある仕事だということを強く感じました。誰かを巻込まなければ、ひとりだけの力では何も世の中に伝えることができないのです。
メディアとのリレーション活動によりパブリシティとしてクライアントに関する情報を世の中に発信していくことは、PRの代表的な仕事のひとつです。しかし、メディアが関心をもつ情報として自分が伝えることができなければ、世の中に何も伝えることができずに終わってしまいます。クライアントが提供している商品やブランドの価値と、メディア(=社会)が関心を持つ接続点はどこにあるのか見つけ出さなければ、記者の興味を引くことはできず、その先にいる人々に伝えることもできません。
世の中が関心を持つテーマは何なのか、社会の課題にクライアントの提供価値はどのように接続するのかを考え、どういう文脈とストーリーであれば伝わるものになるのかが、PRに期待される役割だと考えています。
PRはパブリシティに限定されるものではなく、コミュニティやSNSを通した生活者へのダイレクトな発信から、企業内のインナーコミュニケーションまで多岐にわたります。価値観が多様化し、情報が溢れる現代社会のなかで、どのような方法であれば社会と接続するコミュニケーションを実現できるのか、人々を巻込むものにできるのかが、PRパーソンには問われていると考えています。
― 専門領域でのPRのポイント、努めていること
“具体と抽象”を行き来し、社会の流れをつかむ
社会と接続するコミュニケーションを考える上では、いま世の中で何が話題になり、どのようなことに関心が集まっているのかについて、常にさまざまなアンテナを張っておくことが必要です。ニュースはもちろん、話題の映画やドラマ、展覧会、行列のできる店、SNS上のトピックなど、幅広く接していくことが求められます。
しかし、個々の事象をただ追いかけているだけでは、社会が関心を寄せる本質を捉えることはできません。具体的な社会現象を抽象化し、なぜそれが関心を集めているのか、その背景や構造を捉えることが重要です。抽象化して考えることで、クライアントが抱える課題や提供価値との接続点が見えてくると考えています。
一方で、抽象的な概念を語るだけでは、一般論にとどまってしまいます。クライアントの課題や価値に引き寄せながら、それらを固有の「具体」に変換していく視点が必要です。
そのためにも、自分自身が関心を持ち、心が動き、思わず熱中してしまうような主観的な体験に多く触れることを大切にしています。そして、なぜそう感じ、どのように行動したのかを客観的に分析し、目の前のプロジェクトとの共通点がないかを常に意識しています。生活者としての自分の体験が、意外なところで生きてくると考えています。
― 目指す未来・目標
PRが異なる価値観を繋げる社会的機能に
良いPRの仕事とは、情報の受け手に「これは自分に関係のあることだ」という気づきを生み、関わる人を自然に巻き込んでいくものだと思います。より多くの人にクライアントの提供価値へ共感してもらえることを目指しますが、ひとつの価値観を一方的に強いるものではないと考えています。すべてに共感できるわけではなくても、価値観や文化の異なる人たちが「ここなら自分にも関係がある」と受け止め、関わり、対話できる状況をつくっていく。そのようなPRの考え方が一般化することで、異なる価値観をつなぐ社会の機能として広がっていくことに寄与していきたいと考えています。
― 座右の銘・好きなフレーズ・格言
“生きる”と“生きのびる”
歌人・穂村弘さんがインタビューで語っていたある言葉が強く印象に残っています。社会的に評価され役に立つ、日々を「生きのびる」ための言葉と、詩的に「生きる」ための言葉との違いについて語られたものでした。社会的な価値を見出し、それを伝えていくことに日々意識を向けていますが、効率や役割とは別に、個人の感情や言葉を持つこと、「n=1」の言葉に目を向けていくことも忘れてはいけないのだと、あらためてハッとさせられました。
PROFILE 経歴・プロフィール
2004年に入社し、PR全般の業務に従事。日用品から飲食、スポーツ、IT関連企業、消費財、商業施設、企業広報まで、多数のBtoB、BtoCのPR戦略立案から実務サポートを担当。社内の専門領域メンバーと連携し、パブリシティにとらわれないPR起点のコミュニケーション施策をプロデュース。早稲田大学商学部招聘講師(2024~2025年度)